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中国・世界遺産申請ブームの陰に潜む問題

 メディア報道によると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の関係者はこのほど、中国が世界遺産申請に絡み年間3億元(約47億8500万円)を拠出していることを明らかにした。この数字がどこから来ており、何を拠り所としているのかは不明だが、3億元では絶対に足りないことは確かである。たとえこの数字が事実であるとしても、中国の自然・文化遺産の膨大な量と比べた場合、年間3億元では少なすぎる。中国には現在、世界遺産の申請準備を進めているプロジェクトが200件以上ある。200件のプロジェクトで年間3億元が拠出されるということは、プロジェクト1件あたりの平均拠出額は150万元(約2393万円)の計算となり、いずれにせよ決して多いとはいえない金額だ。人民日報が伝えた。

 中国のここ数年の「世界遺産申請ブーム」が非難されている主な原因として、「申請に要する費用が高すぎる」という世論の高まりが挙げられる。河南省登封の歴史建築群「天地之中」の世界遺産申請には9年間で8億元(約127億6100万円)が、河南省安陽の殷墟には2億3千万元(約36億6900万円)が、広東省開平の望楼には1億3600万元(約21億7100万円)が、山西省五台山景勝地の整備・移転には8億元(約127億6100万円)が、それぞれ費やされた。湖南・浙江など6カ所にある「中国丹霞地形」の世界遺産申請には、計10億元以上が拠出された。さらには、経済的に貧しい「県」が多額の借金をして世界遺産申請を行うというニュースも、今では珍しくなくなった。「世界遺産申請のために、これほど多くのお金を費やす必要があるのか?」「巨額の資金を要する世界遺産申請は、イメージアップのためのプロジェクトなのか?それとも施政業績を上げるためのプロジェクトなのか?」など疑問の声は少なくない。

 赤字覚悟の世界遺産申請が資金の浪費を招き、現地に過剰な財政負担を強いる結果となり、その裏には政治的業績の野望が潜んでいるという事実は否定できない。しかし、我々が考えなければならないのは、「いくら投入するのか」ではなく、「本当に資金を投入すべきかどうか」「資金をいかに使うべきか」「資金を投入すればどのような効果があるのか」といった問題だ。

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