北京の日本料理店「出雲」が閉店 旧日本軍戦艦と同名で批判
北京市呼家楼で22日午後、開業16年の日本料理店「出雲」が閉店準備を行っていた。「出雲」は第二次世界大戦時の旧日本軍戦艦と同名であることから、批判の声があがっていたという。北青網が伝えた。
中国の某有名レストラン評価サイトを見ると、日本料理店「出雲」に関する309条の評価のトップに、こんなコメントがある。「この店の名はなぜ『出雲』というのだ?『出雲』は中国を侵略した日本の戦艦と同じ名前だ。中国で商売をするのに、中国人の無知を馬鹿にするなんて、日本人はひどすぎる」--。
こうした批判に、店主は「私は原籍は遼寧省瀋陽市だが、北京で生まれ育ったれっきとした北京人だ。ネットでは『店主は日本人』と噂されているが、これは全くのでたらめ」と困り顔だ。
店主は1950年代生まれで、1987年に日本に留学し、3年間日本語を学んだ。1997年に日本料理の店を開こうと思った際、日本留学時に1年間滞在した島根県出雲市の名をとって店名にしたという。
店主は「出雲は日本の島根県にある美しい都市で、悠久の歴史を持ち、とても神秘的なところだ。出雲大社をはじめとして、様々な神話や伝統的な祭が今も残されている。出雲大社は若者のデートスポットでもある。出雲の2文字は私にとって、すばらしい思い出の象徴」と語る。
店主によると、閉店の主な理由はテナント料の上昇だというが、料理長の鄭氏は、「(店名に関する)批判も閉店に追い込まれた原因の1つ」との見方を示す。店主は「今はマーケティング段階で、新しい店の住所は確定していないが、もし新しい店を開くなら出雲という名は使わない」と語る。
中国人民大学国際関係学院の金副院長はこれについて、「経済は経済、政治は政治というように、政治と一般市民の経営行為ははっきりと区分されるべき」との見方を示す。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年8月23日