急増する高齢者犯罪が日本の社会の不安要素に
中国メディアが見る日本 高齢者といえばこれまで、犯罪の「被害者」になることが多かった。しかし、高齢化が進む日本では現在、犯罪の「加害者」になる高齢者が増加している。東京都内では2012年にあった万引きで、65歳以上の高齢者の摘発数が19歳以下の少年を上回った。高齢者の犯罪が増加している主な原因は、「生活困窮」と「孤独」だ。現在、高齢者犯罪の増加は、日本の社会の不安要素となるだけでなく、財政支出をも圧迫している。法制日報が報じた。
高齢者の犯罪が年々増加
日本は現在、超高齢化社会になっており、約1億2千万人の人口のうち、65歳以上の高齢者が3079万人を占める。2055年には、高齢者の数が総人口の40%以上を占めるようになると予測されている。高齢化が進み、社会の環境が変化するにつれ、犯罪に関わる高齢者が年々増加し、ここ10年で高齢者の犯罪件数が2.5倍となった。
高齢者が手を染める犯罪の半分以上を占めているのが「窃盗」で、中でも最も多いのがスーパーなどでの「万引き」だ。そのほかの犯罪は、傷害事件や暴行事件、遺失物を返さない、性犯罪、殺人、強奪などとなっている。殺人や強奪などは、占める割合こそ最も少ないものの、それでも2011年には高齢者による殺人事件が147件、強奪事件が108件あった。同年、有罪の宣告を受け、刑務所に入っている高齢者は2028人(受刑者の8%を占める)いた。うち7割が2回目の入所、4割が6回目以上の入所だった。
2004年にNHKが放送した「急増する老人犯罪-高齢者刑務所からの報告」という番組では、高齢の受刑者を専門に受け入れる設備がある広島県の尾道刑務支所はほぼ満員の状態で、受刑者の平均年齢は73歳という、驚くべき実態が明らかにされた。受刑者の大半が65歳を超えてから犯罪に手を染め、80%が出所して1年以内に刑務所に戻ってくるという再犯率の高さだという。