ノンフィクション書籍「保衛大武漢」出版 真の抗日戦争史を描く
抗日戦争をテーマとした長編ノンフィクション書籍「保衛大武漢」は、武漢の作家・徐力氏が「8年間に及ぶ抗日戦争」とほぼ同じ年月を費やし、無数の歴史的断片をひとつひとつ心を込めて拾い集め、ドキュメンタリータッチで描いた大作だ。同作品がこのほど、国家出版総署、中国人民解放軍総政治部、中国軍事科学院による共同審査を経て北京燕山出版社から発行された。新華網が報じた。
評論家の黄自華氏は、この作品について、次のように論じている。
全シーンが正確に再現され、精確な史料を拠り所として記述されている。「8年間の抗日戦争」の命運や成り行きを変えた歴史的人物が、武漢を中心に果てしなく広がる中原大地において、何者をも恐れない犠牲的精神「一寸山河一寸血(抗日戦争のスローガン)」を拠り所として、日本侵略軍と数カ月にわたる血戦を繰り広げ、敵の無謀な侵略行為を生身の身体を呈して阻止した。あれから76年が経過したが、当時の戦場で貴い命を捧げた数万の英霊たちの物語や功績は、永遠に、人々の心の奥深くに刻まれている。「保衛大武漢(武漢会戦)」は、中国抗日戦争史上、最も大規模、最も広範囲、参加部隊が最多、犠牲者が最も痛ましく、最も多くの日本軍を壊滅させた戦いであると同時に、抗日戦争情勢が大転換した重大な戦いだった。徐力氏は、著作の中で、世間が熟知している歴史的状況についてはあまり多く触れていないが、細部について真実に迫り、一つ一つの小さな空間の中で、失われ忘れられた現場の断片や「歴史的な理性」によって故意に削除された事柄など、歴史に関する人々の記憶の底に沈んでいるものを、元の状態に復元し、多くの当事者が参与して身をもって示した断ち切られた歴史の鎖を複製し、人々が歴史的事実を見直すための新たな視点を提供しようと試みた。
武漢空軍某隊に所属する張佑軍氏は、「『保衛大武漢』は歴史的理性に基づく叙述を覆すもので、一民間人の経験が自由な形で描かれ、生き生きと躍動感に満ちた歴史のシーンが再現されており、重厚な歴史感、無常感、リアリティに溢れている」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年9月10日