 |
全国人民代表大会・王代表の提案に対する民生部からの公式回答書 |
中国民生部はこのほど、全国人民代表大会代表の王敏剛氏が提案した抗日戦争(日本の呼称・日中戦争)期の旧兵士を対象とする優遇措置政策について、条件を満たす旧国民党兵士を、社会において様々な困難を抱える人々と同じように社会保障の対象に組み入れる旨を改めて言明した。対象者には老人ホームや福祉施設への優先入居などの優遇措置が適用される。民政部はまた、各地の党委員会および政府に対し、抗日戦争期の元国民党兵士を重要祝日の関連イベントに招待するよう求めた。京華時報が報じた。
□王氏の提案:「抗日戦争に参加した国民党兵士に優遇措置を適用」
香港特別行政区の人民代表大会代表である王敏剛氏は、今年の両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)中、深セン竜越慈善基金会によるここ数年の旧国民党兵士に対する慈善活動について詳しい調査・検討を行い、「旧抗日戦争兵士を優遇措置政策の対象とする」提案書を提出した。王氏は提案書の中で、これまでの歴史的経緯から、多くの旧抗日戦争兵士が、当然享受すべき福利厚生保障や配慮を受けられずにいると指摘した。
王氏は、「民生部が筆頭となり、旧抗日戦争兵士の申請登録作業を全国規模で展開し、事実確認によって認定された旧兵士を優待措置の適用対象に組み入れるべき」と提案した。また、民間組織を補助機関とし、精神面でのケアサービスを旧兵士に提供し、経済的に困難な旧兵士に対して、個別化サービスを行うよう提案した。
□民生部の回答
●条件を満たす旧兵士は社会保障の適用対象に
王氏の提案に対する民生部の回答書によると、「軍人救済優遇条例」では、民政部門による優遇措置の適用対象は、中国人民解放軍の現役軍人、障害を抱える退役軍人、復員軍人、退役軍人、烈士の遺族、公務により死亡した軍人の遺族、病気で死亡した軍人の遺族、現役軍人の家族と定められている。また、大陸部に居住する抗日戦争期の旧国民党兵士は対象外となっている。
しかし、民政部は同時に、「まもなく通知を発表し、各級民生部門に対し、抗日戦争期の旧国民党兵士に関する業務を徹底して行い、城郷低保(都市・農村部の最低生活保障制度)、農村五保(衣食住・医療・葬式の保障)、医療支援、臨時生活支援、社会福利保障を受けるための各種条件を満たす旧兵士を相応の保障適用範囲に組み入れるよう指示する」と回答書で言及している。
また、民政部は、民間組織が抗日戦争期の旧兵士のための各種イベントを開催することを支援し、関連社会組織や慈善団体が彼らに援助の手を差し伸べるよう奨励している。
●重大祝日には、旧兵士を各種イベントに招待
民生部は、回答書において、「各級民生部門は、社会養老サービス制度を活用し、条件を満たす身寄りが無い旧国民党兵士が老人ホームや福祉施設に優先的に入居できるよう、社会組織を支援・奨励する。社会からの寄付など適切な方法により、旧国民党兵士を対象とした援助・救済活動を実施する」との方針を示した。
また、抗日戦争勝利記念などの重要イベントや元旦・春節(旧正月)などの重大祝祭日の特別イベントに、旧国民党兵士を招待するよう、各地の党委員会・政府に提案した。
民政部は3日、旧国民党兵士を相応の福利厚生保障に組み入れることに関する具体的文書を近く発表すると明かした。
[1] [2]