IOCの新会長にドイツのトーマス・バッハ氏
10日、当選したバッハ新会長を祝福するロゲ前会長(左)。 |
国際オリンピック委員会(IOC)は10日、任期満了で名誉委員に退くジャック・ロゲ会長(第8代)の後任選挙を行い、2回目の投票でIOC副会長のトーマス・バッハ氏(59)が過半数となる49票を集め、第9代会長に当選した。任期は8年で、2021年まで。新華網が報じた。
会長選にはバッハ副会長のほか、ウクライナのセルゲイ・ブブカ理事、スイスのデニス・オズワルド委員、シンガポールのセルミャン・ウン副会長、プエルトリコのリチャード・キャリオン委員、台湾の呉経国理事ら、IOC委員6人が立候補した。
バッハ新会長はドイツの元フェンシング選手で、1976年のモントリオールオリンピックのフルーレ団体で金メダルを獲得した。その後、1991年にIOCに加入し、96年にIOCの理事になり、長期にわたってプロジェクト委員会や司法委員会などの重要な部門を主管してきた。また、オリンピックの欧州地区でのテレビ放映権を担当しているほか、2000年からは12年にわたってIOCの副会長を務めてきた。
バッハ新会長の今回の当選の背景には、ロゲ前会長の支持もあったというのが外部の見方だ。2002年のソルトレイクシティオリンピックの招致活動において賄賂が行われたとのスキャンダルが発生した際、バッハ新会長は同問題を適切に処理したため、ロゲ前会長から厚い信頼を得ていた。そのため、バッハ新会長は、「IOC会長が備えるべきもの全てを備えている」と言われている。
IOC会長は無記名投票で選出され、任期は8年。再選で4年延長が可能となる。ロゲ前会長は2001年7月に当選し、今回の総会最終日で任期満了となった。
IOCの120年近い歴史の中で、バッハ新会長の前に8人が会長を務めてきた。うち、第5代会長の米国のアベリー・ブランデージ氏以外は、すべて欧州国籍だった。バッハ新会長も欧州のドイツ出身だ。オリンピックが欧州中心に行われていることに、世界では批判の声もあり、近年は欧州国籍以外のIOC会長を求める声も高まっていた。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年9月11日