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日本のリニア中央新幹線が抱える懸念材料 (2)

 超伝導リニア技術自体はほぼ非の打ち所がない。だが山、地震、トンネルが多い日本の地理環境の制約を受け、500キロという超高速の強みを発揮するのは難しそうだ。具体的に言うと、名古屋?品川間は約290キロで、リニアで両駅間を直行すれば40分しかかからない。これは1時間半を要する在来型新幹線に明らかに勝る。だが問題は、JR東海が沿線に6駅の設置を計画していることだ。停車、出発にかかる時間を考えると、もし各駅全てに停車した場合、最終的に1時間以上かかってしまう。リニアの運賃は当然、現行の新幹線より高くなる。30分足らずしか違わないのなら、より多くの乗客を呼び込むのは難しいだろう。このためJR東海は各停は1時間に1便しか運行せず、残りは全て直行にして速さを際立たせる計画だ。だがこれは停車しないの駅の客を失うことにもなる。こうした「距離と高速」の矛盾をどう解消するかが、運行上の課題の1つだ。

 さらに大きな懸念は、リニア中央新幹線には産業計画上、「生来的な」欠陥が存在することだ。余りにも莫大な投資と非常に長い回収周期が収益性に影響を与える。

 比較してみるといい。中国の寧杭高鉄の南京?広州間は全長249キロ、投資額237億元、工期4年半だった。一方、似た距離のリニア中央新幹線(東京?名古屋間)は中国の約16倍の約3800億元が費やされる。ましてや工期は12年以上にもおよぶ。中国の高速鉄道の主要幹線は今後10年間で徐々に時速400キロに達するはずだ。日本の計画するリニアにはそれでも100キロ劣るが、投入産出の経済性の観点から見れば、リニア中央新幹線がいささか引き合わないのは明らかだ。

 電力も問題だ。超電導技術の電力消費量は軽視できない。乗客1人当たりの電力消費量は現行新幹線の約3倍であり、周辺施設の電力消費量はさらに莫大となる。東日本大震災後、日本は相次いで原発を停止し、毎年電力不足に陥っている。リニアの莫大な電力をどう確保するかは懸念材料だ。

 ----リニア中央新幹線にはなお多くの「欠陥」があるのに、日本が積極的に推し進めているのはなぜか?

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