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日本のリニア中央新幹線が抱える懸念材料 (3)

 明確にすべき点がある。リニア中央新幹線は決して日本政府の投資事業ではなく、民間企業であるJR東海の事業だ。JR東海がリニアを積極的に推進するのは、第一に利益を考えてのことだ。開発段階ですでに数百億円が飛んだため、JR東海は営業運行を実現して、国内のライバルに対する競争優位を維持し、できるだけ早くコストを回収することを強く望んでいる。

 だが国家規模の総合判断の欠如が、リニア中央新幹線に欠陥をもたらしている。朝日新聞の最新の報道によると、JR東海はハード面の投資を圧縮するため、リニア中央新幹線の中間駅に待合室や商業施設を建設しないことを決定した。これは後続資金が不足し、計画に欠陥が存在することの現れだ。もちろん、経営側は沿線地区の自治体や民間企業を刺激して関連施設の建設に投資させる考えなのかもしれない。今後の建設過程でJR東海は計画内容を徐々に調整する可能性がある。日本の政府と自治体もリニア中央新幹線の建設に対する支持を強化するかもしれない。だが多くのマイナス要素を克服できるのかどうか、われわれは刮目して待っている。

 最後に指摘しておくべきなのは、リニア中央新幹線建設事業には複雑な政治的背景もあるということだ。自民党にはインフラ事業を地方に引き込むことで支持を得る「土建族議員」が多数いる。安倍政権発足後、息を吹き返したこれら土建族政治家たちは新たなインフラブームを巻き起こそうとし始めた。この中には、リニア中央新幹線の推進を通じて政治的・経済的資本をさらに得ようとする勢力がいくらでもいる。一方、民主党政権期にはリニア中央新幹線事業は議論の的だった。JR東海は自民党の支持率が高いうちに既成事実を積み上げことを切望してもいる。日本国内のこうした政治、世論環境がリニアの実現に最良のタイミングを提供した。

 この他、注目されるリニア中央新幹線事業は自民党にとって原発再稼働の新たなカードともなるだろう。日本の最高技術を代表するリニアはひとたび営業運行が始まれば、莫大な電力を必要とする。そしてこの新たな電力需要を支える望みは原発再稼働に託すほかない。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年6月14日

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