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中日経済共同体は東アジア共同体の先決条件 (3)

 記者:最近アベノミクスによって日本の景気は回復している。一方、アベノミクスは東アジア諸国に通貨戦争などマイナスの作用を及ぼすとの指摘もある。アベノミクスをどう見るか。

 湯元氏:アベノミクスは主に大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の3大政策からなり、これは3本の矢とも呼ばれる。このうち最も注目されるのは大胆な金融政策、QQE、すなわち量的・質的金融緩和だ。この緩和政策は投資家心理を大幅に改善し、日本の株式市場を再度急上昇させた。

 量的緩和は円安をもたらしたが、私はこれが通貨安を競い合う通貨戦争をもたらすことはないと考える。円安は2大効果をもたらす。1つはprice effectで、日本の輸出を増加させ、日本経済の成長を促す。もう1つはborrowing effectだ。中国、韓国など日本の産業と構成するサプライチェーン上の国々は円安によって利益がある。日本からプラントを輸入する際に支払う価格が低くなるからだ。

 したがって、私はみなさんはアベノミクスを大きく誤解していると思う。実は急速すぎる円安は日本経済にとってかえってマイナスだ。私の計算では、円安が25%進むと、日本の輸入総額は5兆円増加する。日本は国債残高、貿易赤字ともに大きいため、ひとたび円安になれば、債務の返済と貿易赤字の補填により多くの円を支払うことが必要となる。この支出は確かに大きい。

 だが私はアベノミクスで最も重要なのは第3の矢、つまり成長戦略だと考える。日本経済の直面する試練は過去数十年間直面してきたデフレだけではなく、高齢化や労働力の減少といった問題もある。アベノミクスは日本経済の直面するこうした問題に向き合い、解決しなければならない。このため成長戦略が非常に重要となってくる。そしてこの成長戦略は日本と中国、韓国などアジア諸国との自由貿易圏、東アジア地域内の経済協力も後押しするだろう。

 記者:このところの中国経済の減速をどう見るか。

 湯元氏:これまで多くの人は中国の経済成長は8%以上を維持するはずだと考えていた。だがこうした成長速度は調整の時期を迎えた。現在中国は非常に厳しい試練に直面している。まず中所得国の罠を回避しなければならない。これには年金、医療システムなど国内体制・制度の改革が不可欠だ。

 過去10年間、民営企業の発展は中国経済の成長を大変後押しした。したがって、続いて国有企業改革を行なうと同時に、引き続き民営企業の発展を支援すべきだ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年7月12日

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