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中・欧貿易戦が拡大か 鋼管めぐる訴訟は報復行為? (2)

 ▽報復ではない

 現在、EUは中国が特殊鋼管に高額の関税を課していることについてWTOへの訴訟提起を検討している。EUでは、中国の動きは悪意をもった報復行為だとする声が上がっている。

 蘭格鋼鉄網の張琳アナリストは、「中国の動きは報復行為ではなく、国内の鉄鋼貿易を自ら保護する行為であり、情理にかなった合理的な反撃手段である」と話す。

 張アナリストによると、国内の鋼管生産能力はもともと供給過剰であり、これに米欧からのダブルパンチが加われば、国内鋼管企業はますます経営が苦しくなる。輸入鋼管のダンピングは、国内の鉄鋼企業に大きな損害を与えており、国が自国の産業を保護する措置を取るのは情理にかなった合理的なことだといえる。国は市場の調査研究を踏まえて、高額の関税を徴収するという措置を取ったに違いないという。

 ある鉄鋼業界関係者によると、EUと日本から輸入される鋼管には、国内で生産されたものより価格が安いものがあり、市場で大きな部分を占め、低迷気味の中国鉄鋼産業にさらにダメージを与えている。産業という観点からみると、これらの輸入鋼管には確かにダンピングの疑いがあり、国が調査を行ったのは合理的なことだ。関税の徴収から、国が貿易をめぐり自らを保護する意識を高めていることがうかがえる。これまでのようにひたすら攻撃されたり、妥協をはかったりするようなことはないという。

 ▽貿易紛争がレベルアップ

 シームレスステンレスパイプの案件は、先に発生した中・欧間の太陽光パネルやワインをめぐる紛争とは無関係だが、アナリストの中には、この案件は中・欧貿易紛争が新たな局面にレベルアップしたこと、貿易をめぐる「戦火」が鉄鋼産業にまで拡大したことを明らかに示すものと指摘する人もいる。

 張アナリストによると、中国はこのような貿易紛争に積極的に対応しなくてはならない。中国の鉄鋼製品輸出はこれまでずっと海外政府がたびたび発動する反ダンピング・反補助金調査に直面しており、回避政策では問題の解決にならないことが確かだからだという。

 EUが今年2月、WTOが提起した中国のX線スキャナーに対する関税問題で勝利を収め、中国の貿易保護措置に対する挑戦で初めて成功したことには注意する必要がある。それでは中国が特殊鋼管に対し高額の関税を課したことをめぐるこのたびのWTOへの訴訟の提起は、一体どれほど注目を集めるだろうか。

 ある関係者によると、WTOルールでは加盟国が目には目を式の報復行為を取ることを禁じており、加盟国は関税を課す前に調査を尽くして証拠を集め、自国の産業が損害を被っていることを証明しなければならない。中国側の課税の根拠となる証拠が合理的なものであれば、EU側の勝利はおぼつかないという。

 張アナリストは、「もちろん、国の態度と交渉力も大きな作用を及ぼす。これは貿易紛争というだけでなく、今の中国が海外の貿易保護政策にどのように対処するかが試される機会でもある」と話す。(編集KS)

 「人民網日本語版」2013年6月13日

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【特集】欧州連合、中国製太陽光パネルへ攻勢

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