国産大型機C919 試験飛行は1年遅れの15年に
国産大型旅客機「C919」の試験飛行計画が1年後ろ倒しにされ、2015年に行われることが21日に明らかになった。各方面から驚きの声は上がっていない。ある業界関係者によると、安全性や信頼性を考えた場合、15年の試験飛行実施は新型機の研究開発の流れにとってより適切だという。京華時報が伝えた。
国務院大型航空機重大特定プロジェクト専門家コンサルティング委員会の張彦仲主任委員が今月初めに述べたところによると、C919の研究開発作業は既定の計画やタイムスケジュール通りに進められており、部品の95%は設計が完了して、生産・製造の段階に入っている。当初は14年の試験飛行が予定されていたが、14年は完成機の組立を行い、試験飛行は15年に行われる見込みだ。
この大型旅客機プロジェクトが動き出したのは、08年5月11日に中国商用飛機有限責任公司が設立された後のことだ。当時の論証委員会が国務院に提出したプランでは、プロジェクトがスタートしてから90カ月以内に試験飛行を実現させるとしており、つまり15年末頃に試験飛行が行われるということになっていた。
業界では試験飛行を1年遅らせる方が実際の情況にふさわしいという見方が出ている。海外の大手航空機メーカーに務めていたあるエンジニアの話によると、新型航空機の研究開発ではなんといっても安全性・信頼性を軸にしなくてはならない。航空産業のうち出す航空機への要求はますます高まり、新型航空機への技術的要求は大きく、予定通りに試験飛行や引き渡しを行うことが一層難しくなっている。最新の世界の航空機研究開発の情況をみると、エアバスの「A380」もボーイングの「B787」も、日本の三菱航空機の「MRJ」もボンバルディアのCシリーズも、すべて市場投入を遅らせたことがある。
同エンジニアによると、現在の航空産業は航空機エンジンの燃料消費効率や環境保護性能をめぐってますます高い要求をつきつけるようになっており、航空機の製造材料、エンジン性能、電気システム、搭載システムなどはいずれも変化を続けている。また現在は航空機部品サプライヤーでシステムインテグレーターを方向性とするところが増えており、B787を製造するボーイングの場合、製造の責任を直接負う部分は30%に過ぎず、残りの70%はサプライヤーに外注(アウトソーシング)している。外注が中心になると、サプライヤーの監督・コントロールがさらに難しくなる。だがC919の研究開発過程で、これまで何かの障害にぶつかったことはないという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年8月22日