中日関係は「政冷経熱」から「政冷経涼」に変化
日本の無条件降伏宣言68周年記念日である今年8月15日、日本の閣僚3人、超党派議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー102人(衆議院議員70人、参議院議員32人)が靖国神社を参拝した。これについて中国中日関係史学会副会長、元中国科学院日本研究所副所長の馮昭奎氏は人民網日本語版の単独インタビューに、中日の経済貿易関係を一層悪化させるとの見方を示した。
記者:8月15日に、自民党と連立政権を組む公明党を含め日本の各野党、各団体は平和を提唱し、戦争に反対する立場を次々に表明した。安倍内閣の閣僚3人と国会議員100人余りによる靖国参拝を、国際社会は厳しく非難。特にかつて日本の侵略を受けた中国、韓国などアジア諸国は次々に強烈な抗議を表明した。日本のこの行動はその内政と外交、そして中日の経済貿易関係にどのような影響を与えるか?
馮氏:日本国内の平和主義勢力は依然健在だと私は考える。まず、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題だけで日本国内の平和勢力と非平和勢力との線引きをすることはできない。釣魚島が中国に属することを認めない、あるいは釣魚島係争の存在を認めない勢力=非平和勢力というわけではない。釣魚島問題は中日関係の全てではないし、日本の民衆は日本政府に煽動されやすい。
歴史認識問題において日本国民の相当数は今も、日本がかつて中国を侵略したことを認めている。憲法改正問題に民意の6割は反対、4割は反対せずだと思う。周辺国との関係を変えるよう求める声も小さくない。およそ7割の民衆は周辺国との関係を変えるよう求めている。
中日の経済貿易関係の問題においては、現在の中日関係はすでに小泉政権期の「政冷経熱」から「政冷経涼」へと変化した。中日関係の影響を受けて、日本企業は次第に中国から東南アジアへ移転している。これには当然、中国の人件費上昇という要因もある。
日本は対中輸出が輸出全体の約20%を占めるのに対し、中国は対日輸出が輸出全体の10%を占めるので、対日経済制裁の発動は「敵を一千殲滅、わが方の損害は八百」と考える人がいる。こうした見方は無意味だ。
第1に、分母をGDPにして見た場合、両国の相手国への輸出はいずれもGDPの2.4%--2.5%前後を占めるが、中国のGDP成長は輸出への依存度が比較的高い。第2に、日本の対中輸出は産業チェーンのミドルエンド、ハイエンド製品が中心だが、中国の対日輸出製品はローエンド製品が中心だ。また、経済モデルの転換段階にある中国は日本からの部品、機械設備輸入を必要としている。第3に、日本企業の撤退によって中国の経済減速圧力は一段と強まる。第4に、影響を受ける日本企業は軍需産業に転向する。安倍氏の武器輸出三原則の緩和、軍事技術輸出の拡大政策によってこうした企業は補償を得る。したがって、中日の経済貿易関係から見て、中国の損害は日本より小さいわけではない。日本側は、一部の民営企業を除けば、多くの日本企業は損失を補うことができる。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月22日