中国 世界最大の「電子ゴミのたまり場」に (2)
一方の中国はというと、電子ゴミのリサイクル産業はまだ初期段階にある。まず、電子廃棄物のリサイクル分野が少なく、技術が遅れている上に、法環境も整っていない。さらに、電子廃棄物のリサイクルに携わる人々の多くは組織に属しておらず、三輪車で各地を走り回り、「ゲリラ的」に廃品を回収している状態だ。
2011年末、2年間にわたって実施された家電の「以旧換新(買い換えの際に補助金を支給)」政策が終わり、補助金が無くなったため、電子ゴミを高価格で買い取る小規模な企業などにいらなくなった家電を売る消費者が増えている。しかし、これらの企業は廃棄物の処理方法が単純かつ粗放的で、環境汚染を引き起こしやすい。一方、コスト的な原因から、進んだ技術と設備を備える正規の企業には往々にして電子ゴミが集まらない。華新緑源は中国の廃棄家電リサイクル試行企業の1つだが、昨年は8カ月にわたる操業停止に追い込まれた。
海外からのゴミ侵入問題に対応するため、中国は「輸入禁止固体廃棄物目録」を公布し、コンピュータや家電、通信設備などの電子ゴミの輸入を禁止した。国際条約「バーゼル条約」でも先進国から途上国への有害廃棄物の輸出を禁止している。しかしそれでもなお、大量の電子ゴミが違法ルートで国内に流入している。利益に目がくらんだ多くの違法業者が買取と売値の差額を稼いでいるのだ。悲しいことに、これらの電子製品のほとんどは中国で生産された物であり、世界を一周した後、最終的に再び中国にたどり着き、中国を汚染している。
電子ゴミの処理に関しては、国外の経験を参考にできる。ドイツには1万あまりの電子ゴミ回収拠点があり、市民は1人あたり最大20点の廃棄家電を無償で処理できる。米国ではメーカーや小売店が独自に回収措置を設けており、例えば家電量販店「ベストバイ」では店内に回収コーナーが設けられている。アップルも米国各地の247店舗で古いiPodの回収を行っており、新たなiPodを購入する場合は10%の割引が適応される。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年7月12日