繊維状の太陽電池 復旦大学教授が開発
化学専門誌「応用化学」の最新号に、復旦大学先進材料実験室、高分子科学学科の彭慧勝教授の研究チームによる研究成果が掲載された。彭教授らは、新型エネルギー機器の開発に成功した。中国新聞社が伝えた。
同技術に基づき製造された新型繊維状太陽電池により、いつでもどこでも太陽エネルギーを効果的に利用するという夢が、現実のものになる。人々は着ている服、かぶっている帽子、持っているバッグ等を通じて「自家発電」し、携帯のバッテリーを充電できるようになる。発電所は現在広大な敷地面積を占めるが、将来的にテーブル一つ分のサイズの機器に変わるかもしれない。
この新型電池は髪の毛のように細く、直径はわずか60−100ナノメートルだ。彭教授によると、同製品は一般的な化学繊維と同じく、服やズボン等の紡績品に加工することが可能だ。こうすることで身にまとう太陽電池となり、自家発電を実現する。
この新型繊維状太陽電池は、太陽光を電力に変換すると同時に、これらのエネルギーを貯蔵することができる。またその他の蓄電池やエネルギー貯蔵機器とつなぐ必要もない。日光がなく電力消費量の多い夜間でも、太陽エネルギーを自由に使用できる。これは既存の太陽電池では不可能なことだ。
同研究プロジェクトは科学誌「ネイチャー」により、「アジア太平洋地域の10大研究の一つ」と評価された。「応用化学」はこれを見開きから大々的に掲載した。記事をチェックした専門家は、「彭教授の研究チームは、非常にシンプルかつ低コストな手段により、1本の繊維による光電変換と電力貯蔵を世界で初めて実現した。これにより太陽エネルギーの利用効率が大幅に向上し、全繊維状エネルギーシステムに向けて重要な一歩を踏み出した」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年12月12日