「右寄り」競争が拘束する日本の外交と未来
日本では衆院選を前に各党の選挙戦が白熱化している。外交では現実から乖離して「右寄り」を競う雰囲気がどんどん濃厚になり、集団的右傾化の傾向が日本の外交と未来をきつく拘束しつつある。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
先月末に米上院が釣魚島およびその付属島嶼(日本名・尖閣諸島)を日米安保条約の適用対象と定める追加条項を2013会計年度国防権限法案に盛り込んだとのニュースは、日本に伝わるや「煽り立て」効果を発揮した。複数の次期首相有力候補が強硬発言を連発し、憲法改正や自衛隊の国防軍への昇格の声が後を絶たない。
野田佳彦首相(民主党代表)が3日も「右寄り」を競うと同時に、「私は現実主義者だ。現実に即して外交・安保政策を推進する」とわざわざ強調したのは皮肉なことだ。
野田氏は民主党政権発足前のマニフェストに「中韓などアジア諸国との信頼関係の構築に全力で取り組む」と明記したことを忘れてはいないはずだ。だが、野田氏は何を成し遂げただろうか。
野田政権の外交を振り返ると、最大の失敗は中国の強烈な反対を顧みず、中日の上の代の指導者が達成した了解と共通認識に背き、独断専行で中国固有の領土である釣魚島のいわゆる「国有化」を行ったことだ。この行為は中国の領土主権への侵害であり、中国人民の感情を深刻に傷つけ、中日関係を国交正常化後の40年間で最大の緊張と冷え込みへと追いやり、日本経済にも痛手を負わせた。