中国へのサイバー攻撃が深刻化 米国からが最多
中国国家インターネット応急センター(CNCERT)は19日に発表した報告書「2012年中国のネットワークセキュリティ情勢総述」の中で、「昨年中国のネットインフラは全体的に見て安定的な運営を維持したが、セキュリティ情勢は楽観が許されず、依然として深刻な海外からの攻撃の脅威に直面している」と指摘した。モニタリングによると、中国国内で昨年書き換え・改ざん被害にあったサイト数は前年比6.1%増の1万6388サイトに達し、そのうち政府系サイトが21.4%増の1802サイトに達した。人民日報が伝えた。
■バックドアが増加
同報告書によると、中国のサイトに対するバックドアなどのサイバー攻撃が増加傾向にあり、ユーザー情報がハッカーに狙われている。CNCERTは2012年のモニタリングで、中国国内の5万2324サイト(前年比213.7%増)が、バックドアを埋め込まれていることを発見した。そのうち政府系サイトが93.1%増の3016サイトに達した。
フィッシング詐欺が氾濫し、オンライン金融サービスおよびECの発展に深刻な影響を与え、公衆の利益を損ねている。CNCERTは2012年のモニタリングで、中国国内のサイトを対象とするフィッシング詐欺ページを2万2308ページ発見した。またフィッシング詐欺に関するクレームが9463件に達し、クレーム全体の約半数に達した。
CNCERTが2012年に実施したモニタリングによると、通信量が1GBを上回る大規模なDoS攻撃が2011年の約3倍の1022件に達した。しかしIPアドレス偽装攻撃が占める比率は、2011年の70%から49%に低下した。
ウイルスを利用したハイレベルかつ持続的な攻撃が頻発しており、国家および企業のデータ安全の深刻な脅威となっている。中国国内では2012年に、少なくとも4万1000台のメインコンピュータが、この特徴を持つトロイの木馬に感染した。