回路を紙に直接印刷 中国科学院理化技術研究所 (2)
◆3Dプリントの応用範囲を拡大
回路印刷の実現の前提は、インクに流動性をもたせることだ。室温で回路を生成する方法を見つけるため、劉研究員のチームは液体金属の移動のメカニズムを解析し、ついにこの難関を突破した。同研究チームはさらに、3D電気機械複合システムの直接印刷を実現した。新方法は平面の回路を印刷できるだけではなく、立体の複雑な回路、その関連部品を直接生成できる。
劉研究員は、「現在の3D印刷の多くは型そのものしか印刷できず、電子機能を含む部品の印刷は不可能だ。液体金属による回路印刷は、3D印刷技術の応用範囲を大幅に拡大した」と語った。
紙をプラスチックの代わりにし、直接印刷を集約化生産の代わりにする。現実との間にはまだ大きな開きがあるが、劉研究員は将来的な電子部品の個性化製造の可能性に着目している。専門家は、同技術は伝統的な電子回路の製造ルールを変える可能性があると指摘した。個性的な回路の設計方法は、個性化電子部品の設計・製造、オリジナル設計などの面で、幅広く応用できる可能性がある。劉研究員は、「同技術は、電子ペーパー市場で活躍するかもしれない」と語った。ケンブリッジに本部を置く市場調査コンサルティング会社のIDTechEx社は、「電子ペーパー市場の規模は2013年に約160億ドルに達する。この数値は2023年に、770億ドル近くまで拡大される」と予想した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年6月13日