アリババ(阿里巴巴)と騰訊(テンセント)はさきに、今年の春節(旧正月、今年は1月28日)連休期間の「電子紅包」(電子お年玉)をめぐる戦いにはそれほど力を入れないと宣言していたが、携帯電話でお年玉を奪い合う光景が今や年越しの「新風俗」になっており、両社の間では引き続き熱いお年玉大戦争が展開された。今年の春節には、さまざまなお年玉活動に参加するユーザー数も、やりとりされる金額も、前年より著しく増加した。こうした現象に対し、業界関係者の間では、「春節期間の熱気さめやらぬお年玉大戦争をみると、携帯電話の決済サービスが人々の心に入り込み、幅広く利用されるようになったことがうかがえる。各種のインターネットサービスやモバイルインターネットサービスの重要な入り口として、携帯決済サービスの重要性は今後も明らかであり、アリババも騰訊も同サービスをめぐって激闘を繰り広げるだろう」との見方が一般的だ。「経済参考報」が伝えた。
「微信」(WeChat)の公式データによると、今年の春節の大晦日にあたる1月27日だけで、全国でやりとりされた微信のお年玉は142億件に上り、午前0時には送受信量がピークに達して、1秒あたり76万件がやりとりされた。昨年は大晦日全日で80億8千万件のやりとり件数で、ピーク時は1秒あたり40万9千件だった。今年の微信の各種お年玉データはいずれも大幅に上昇した。
「騰訊QQ」(テンセントQQ)のデータでは、QQの位置情報サービス(LBS)と拡張現実技術(AR)を応用したお年玉イベントの「天降紅包」と「刷一刷紅包」に参加したユーザーが3億4200万人に上り、現金のお年玉および各種カード・チケットのプレゼントが累計37億7700万件やりとりされた。昨年の参加ユーザー数は3億800万人で、過去最高を更新した。
業界では、「今年の春節連休期間にはお年玉大戦争の熱が冷めることはなく、ここからアリババと騰訊の今後のオンライン決済能力とオフラインサービスシーンをめぐる競争がさらに激しいものになることが予想される。今年の両社のお年玉への取り組みをみると、まるで示し合わせたかのようにARにLBSを加えるスタイルを取っており、狙いは2つの技術を利用して、ユーザーをオフラインの各種サービスや実店舗に誘導し、これによってユーザーのロイヤリティを高め、決済シーンを拡大することにある。両社の今年の試みから、各種店舗と連動したLBSとARによるお年玉がいずれもユーザーに受け入れられたことがわかる。両社は今後、LBS、AR、決済サービスの連携を強化し、ひいては自社の決済事業の市場競争力を高めることを目指す」との見方が広がる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年2月3日
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