中国科学院上海植物生理生態研究所の何祖華氏が率いるチームは育種専門家と協力し、15年間にわたるたゆまぬ努力により、広スペクトル・持続的いもち病抗菌メカニズムの重大な進展を実現した。さらに国内稲抗菌性分子育種に応用しており、いもち病という「稲のがん」の危害を減らす見通しとなった。この研究成果は2日、サイエンス誌(電子版)に掲載された。人民日報が伝えた。
いもち病の予防には2種類の方法がある。まずは化学農薬の散布で、高コストで環境を汚染するため、持続不可能だ。次に新たな抗菌性資源を発見し、広スペクトル抗菌新品種を栽培することだ。情報によると、25のいもち病抗菌遺伝子の複製と機能の鑑定が終わっているが、そのほとんどのスペクトルが狭く、抗菌性を失いやすい。また、多くの抗菌遺伝子を一つの品種にまとめることは困難かつ時間がかかり、作物の生産量と品質が低下する可能性もある。
何氏のチームはこの難題を解消するため、育種専門家と2002年より、いもち病抗菌性の選択を開始した。中国農家品種の育種材料から、広スペクトルいもち病抗菌性の新たなポイント「Pigm」を発見した。それからさらに10年をかけ、このポイントの機能メカニズムを系統的に解析した。研究によると、Pigmには機能を発揮する2つのタンパク質「PigmR」と「PigmS」がある。前者は検測されているすべてのいもち病菌に対して広スペクトル抗菌性を持つが、同時に稲を小ぶりにし生産量を減らすことになる。後者は前者の抗菌性を抑制するが、生産量を高めることができる。この「タンパク質兄弟」は染色体の狭いエリア内で緊密に結びついており、切り離すことができないため、選ばれた品種は広スペクトル抗菌性を持ち、最後の生産量にも影響を及ぼさない。
何氏のチームがPigmを発見すると、国内の30以上の種子業者及び育種部門によって、稲の抗菌分子育種に応用された。すでに新品種が地域での試験と審査に合格している。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年2月7日
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