人工知能(AI)時代の訪れにともない、現在のコンピューターによる視覚情報処理技術はすでに人類の能力の一部を超えたところまできており、コンピューター視覚知能ロボットが急速に普及している。AI応用の典型として、顔認証システムが人とスマート技術との連携の入り口になることが予想される。「経済日報」が伝えた。
国務院の参事を務める科学技術部(省)の劉燕華・元副部長は、このほど開催された「2017年人工知能・コンピューター視覚産業革新大会」で、「人とスマート機器が相互連動する時代が訪れつつあり、顔認証分野を切り口として、プラットフォームメカニズムが極めて大きな役割を発揮している。スマート機器は常に人類から学び、人々の生活や仕事により多くの便利さをもたらし、人の認知能力をより深く正確なものにし、人はスマート技術の力を借りて知識を加工したり整理統合したりできるようになる」と述べた。
中国科学院の院士であり、天大応用数学センター漢佰連合実験室の名誉主任でもある葛墨林氏は、「AIは国が今後、重点的に発展させる方向であり、知識集約型産業でもあり、AIの発展は基礎研究のブレークスルーに依拠するとともに、応用分野の革新も必要とする」との見方を示した。
AIが今年の「政府活動報告」に組み込まれる以前に、中国ではAIの産学研運用の計画やテストが行われていた。賽迪顧問股フン有限公司(フンはにんべんに分)の向陽AI産業シニアアナリストの説明では、「国家という側面と産業・企業との連合、ソフトウェアの集積とスマートハードウェアとの同時進行を背景に、中国AI市場の成長は世界の他の国・地域よりも速いと予想される。賽迪では、2018年の市場規模は406億元(約6550億円)に達し、年間複合成長率は25.8%になると予想する」という。
AI応用の中で、コンピューター視覚知能ロボットが急速に普及しつつある。北京大学情報科学技術学院スマート科学部の徐超教授(博士課程指導教員)は、「多くの専門的な画像分野で、コンピューターによる視覚情報処理は人類の識別レベルに追いついたり、一部は人類を越えたりしている。たとえば文字や記号の識別、二次元バーコードの識別、指紋認証、顔認証などがそうだ。識別の効率では、コンピューターは人類をはるかに凌駕する」との見方を示した。
顔認証は一部の産業ですでに応用されている。公安分野では出入国検査や犯罪捜査、交通分野では空港、列車駅、ガソリンスタンドなどの各シーンで応用され、教育産業では顔認証による出勤簿管理、宿舎の出入りの管理、幼稚園の送迎の管理などが行われている。AIのさらなる発展にともない、顔認証は人とAIとの連携の入り口として極めて大きな潜在力を秘めているといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年4月10日
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