1人の清掃作業員が、最も安いコールドドリンクを買いたいと申し出たところ、店員は「5割引き」と偽り、Lサイズのアイスティーを1本4元(1元は約16.3円)でその作業員に販売した。この心温まるやり取りの様子がネットユーザー「kimiamber」さんの目に留まり、彼はすぐさま微博(ウェイボー)上でその小さなエピソードについて投稿した。この投稿は、4日も経たないうちに1万3千回転送され、1万8千件の「いいね!」と約4千件のコメントが寄せられた。成都商報が伝えた。
微博に投稿された後、多くのネットユーザーが、「店員の対応は、無料で提供するより、さらに心配りが行き届いている」との感想を送った。100人以上が、店員の善意が自分の心に響いたという感動のコメントを残した。
「kimiamber」さんは4月28日、自分が成都でミルクティーを購入したときに遭遇したエピソードについて、次の通り微博上に投稿した。
「私が注文した抹茶ラテが出てくるのを待っている時、1人の清掃作業員の男性が店にやってきた。彼は、『最も安いコールドドリンクは何ですか』と店員に尋ねた。店員の若い女性は、『6元のMサイズ・アイスレモンティーが最も安いです』と答えた。彼は一瞬躊躇するそぶりを見せたが、この日は異様に暑い日だったため、結局それを1杯注文した。店員の女性は、振り返って奥にいる店員に『Lサイズ1杯』と告げた。それから、その作業員に、『お客さまには会員価格とさせていただきます。Lサイズで4元です』と告げた」。
「本当は、Lサイズ4元という会員価格は存在しなかったが、店員の女性は咄嗟に気を利かせた。私は、この作業員に無料で飲み物を提供するより、このような気配りがはるかに配慮が行き届いたやり方だと感じた。この場合の『会員価格』は、美しい嘘に過ぎない。多くの人が、自分の力が及ぶ範囲内で小さな善行を行えると私は思う。ただ、このような善行が大勢の人々の目に留まることはほとんどない」。
投稿後4日も経たないうちに、この投稿は1万3千回転送され、1万8千件の「いいね!」と約4千件のコメントが寄せられた。また、「成都発布(成都市人民政府報道弁公室)」などの「大V(多くのフォロワーを持つ公式アカウント)」も続々と転送した。
記者は4月30日、舞台となったミルクティー店を取材した。10平方メートルほどの広さの同店では、各種ドリンクやアイスクリームが販売されていた。午後3時過ぎ、店内にいた3人の店員は、休む間もなく忙しく立ち働いていた。
店員の邱さんは、次の通り説明してくれた。
「その時も、私たち3人が店内で働いていた。私たちは相談して、4元でLサイズのアイスレモンティーを彼に販売しようと決めた。こうすれば、彼も快く納得してくれるだろうと思ったし、彼のプライドを傷つけずに済む。実は、店には、アイスレモンティーが半額の1杯4元になる会員価格は存在しない。店主はとても気の良い人で、これまでにも、『特別なケースに遭遇した場合は、3人で相談して臨機応変な対応をとり、事後報告をしてくれれば良い』と店主から告げられていた」。
その日の夜になってようやく、邱さんは昼間の出来事について店主に報告したという。「店主は、私たちの対応を大いに支持してくれた。実際、我々は時々、夜間にドリンク数本を無料で清掃作業員に提供することもあった」と邱さん。同29日夜、彼女はようやく、評判になった微博の投稿のことを友人から知らされたという。「当時、私たちの対応は本当に些細なことに過ぎないと思っていたが、その後、多くの心温まるコメントが寄せられたことに感動している」と彼女は話した。
ミルクティー店を経営する何氏は、「当店には、もともと5割引の会員価格は存在しない。店員から事の顛末を聞き、彼女たちの対応はとても些細なことではあるが、当然認められるべきことだと思っている」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年5月4日
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