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日本経済青書「日系企業の中国市場開拓への投資意欲は低下していない」

人民網日本語版 2017年06月09日15:39

中国社会科学院日本研究所と社会科学文献出版社は共同で9日、「日本経済青書:日本経済と中日経済貿易の関係研究報告(2017)」発表会を北京で行った。

報告によると、「今後の事業展開の方向性」について、調査に答えた中国の日系企業の4割以上が、「拡大する」と答えた。また、その理由について、最も多かったのが「売上額が増加している」で81.6%、次に多かったのが「成長率、成長のポテンシャルが高い」で44.4%と、市場に対する期待が、日系企業が中国での事業を拡大する主な理由となっている。その他、「現状維持」と答えた中国の日系企業の割合も昨年比で1.5ポイント増え、52.8%に達し、2年連続で5割を超えた。一方、「縮小または移転、撤退」と答えた中国の日系企業の割合は前年比で3.4ポイント減り、7.2%となった。うち、「縮小」と答えた企業は5.3%、「移転、撤退」と答えた企業は1.8%を占め、いずれも低い割合だった。「縮小」、「移転」、「撤退」と答えた中国の日系企業に、その理由を聞いたところ、「売上額の減少」(54.8%)、「物資調達コストや人件費などのコスト高騰」(50.0%)と答えた企業が多かった。

「今後の事業展開の方向性」について、「拡大」と答えた中国市場に進出している日系企業は、約4割を維持した。しかし、業界や地域によって、その割合は大きく異なる。地域別で見ると、内陸部に属する「湖北省」(50.0%)や消費の中心地である「北京市」(46.7%)、「上海市」(45.9%)などでは、「拡大」と回答した日系企業の割合は、全国平均を上回った。一方、輸出加工型企業が多い「遼寧省」(32.8%)、「山東省」(28.9%)、「広東省」(26.9%)などの日系企業は、事業拡大したいという意欲が低かった。

業界別に見ると、非製造業企業の割合(47.0%)が製造業企業の割合(36.3%)を10ポイント上回った。また、製造業企業のうち、「食品」(53.6%)、「化学・薬品」(43.4%)、「運輸・機械工具」(43.0%)など、国内販売型の業界の「拡大」という回答も多かった。その他、輸出型産業である「紡績」業界を見ると、「拡大」と答えた企業は19.1%と、2年連続で2割を下回った。

経済がニューノーマルに入った中国は、産業の構造転換や生産能力過剰の製造業の投資縮小、外需が不調であるため減速している輸出などの課題に直面している一方で、消費の成長が安定し、eコマースが右肩上がりで拡大している。中国で事業を展開している日系企業を対象に実施したアンケート調査は、日系企業は中国経済の成長は減速していると感じているものの、決して皆が悲観しているわけではなく、展開している事業内容によって、悲しんでいる企業もあれば、喜んでいる企業もあるという、両極端な結果になっている。

日中の経済関係は近年、貿易と投資が共に減少するという状態が続いており、日系企業の中国事業を拡大したいという意欲も低くなっているが、最近、中国経済がニューノーマルへ移行している過程で、底打ちしたことを示す材料も明らかに増えている。両国の貿易関係は依然として、互いに依存し合う関係を保っており、日系企業の中国における事業拡大も同様だ。中国市場を開拓するための投資の意欲は低くなっていないため、日系企業は現在、事業環境が変化しているのを背景に、新しい市場の拡大を模索する段階に入っているといえる。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年6月9日

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