宇宙の膨張を加速させた秘密の存在とは何だろうか。科学者はその痕跡をつかむことができるだろうか。中国科学院国家天文台の研究員である趙公博氏が率いるチームは国外の研究チームと協力し、暗黒エネルギーが動力学的な場を持つ痕跡を示した。関連成果はネイチャーの天文学専門誌(電子版)に掲載された。中国科学報が伝えた。
科学者によると、暗黒エネルギーを取り上げるのは宇宙の膨張加速を説明するためだが、暗黒エネルギーの本質が何であるかは今のところ不明だ。暗黒エネルギーの状態式は、暗黒エネルギーの属性を研究するための重要な参考データだ。同チームは観測データからその数値を直接再構築し、暗黒エネルギーの性質への理解を深めた。
アインシュタインの宇宙定数に基づき、科学者らは宇宙定数の状態式は常に−1で変化しないと考えていた。しかし同研究によると、暗黒エネルギーの状態式は−1から離れ、時間に伴い変化する。同研究の観測は、暗黒エネルギーが動力学的な場を持つことを支持する。これはこの成果が、科学者の宇宙定数に対する認識に根本的な影響を及ぼすことを意味する。
阿里原始重力波探査実験首席科学者の張新民氏は、「同研究は実験データにより、暗黒エネルギーの状態式を再構築したが、これは暗黒エネルギーの謎を解明するため極めて重要だ。現在の結果ではまた5シグマに満たないが、暗黒エネルギーが動力学的な場を持つ重要な証拠を発見しただけでも意義重大であり、中国の暗黒エネルギー研究の重大な進展だと言える」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年9月4日
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