指でそっと触れると、葉がすぐに閉じる。おじぎ草のこの特徴は、科学研究者にインスピレーションを与えた。中国科学院深セン先進技術研究院の科学研究チームはこのほど、おじぎ草からインスピレーションを得て、伝統的な生物材料の形態変化のコントロールに成功したと発表した。この発見は人工器官の材料源を切り開く可能性がある。新華社が伝えた。
この研究論文は先ほど、「Research」誌に掲載された。「Research」は世界的に権威ある学術誌「サイエンス」誌の協力プログラムに入っている刊行物の一つであり、中国科学技術協会とサイエンスの発行者であるアメリカ科学振興協会(AAAS)が共同刊行する権威ある学術誌だ。
生物材料の形を人の需要に基づき変化させ、より医学応用に適した材料を作り出すにはどうするべきかは、科学研究者を長きにわたり悩ませている難題だ。
論文の連絡著者、中国科学院深セン先進技術研究院副研究員の杜学敏氏によると、昆布から抽出するアルギン酸ナトリウムは柔らかなハイドロゲルを形成できるが、その力学・生物的特徴は人の軟組織に類似する。しかしこのハイドロゲルには形態変化の能力がなく、人工器官の材料にはなりがたい。
杜氏の科学研究チームは、おじぎ草がは植物細胞内のイオンの調節作用により「おじぎ」することを発見した。そこで彼らは9カ月を費やし、アルギン酸ナトリウムでハイドロゲルを作り、おじぎ草に似た構造を設計した。さらにハイドロゲルを特製の溶液に入れ、溶液内のナトリウムイオンとカルシウムイオンの相互作用を調節することで、ハイドロゲルの「螺旋状から反対方向の螺旋状」への形態変化をコントロールした。
華東師範大学化学・分子工学学院の張利東教授は「このバイオデザインは伝統的な生物材料の形態変化に普遍的な方法を提供する。一部の生物材料の再生医学、柔軟型ロボットなどの分野における応用範囲を拡大する可能性がある」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年2月11日
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