中国科学院合肥物質科学研究院スマート機械研究所の劉錦淮課題グループ孔令涛氏率いる研究チームは、制御可能な新型触媒を設計した。pH値の広い範囲内で抗生物質の効果的な分解を実現した。英国王立化学会の有名な学術誌「ナノスケール」がこの成果を掲載した。新華社が伝えた。
人と動物は服用した抗生物質を完全に吸収できないことが多いため、大量の抗生物質が代謝の産物、もしくはそのままの形で環境に放出される。これにより病原性微生物に耐薬品性が生まれ、感受性細菌の耐薬品性が強まる。テトラサイクリンは代表的な抗生物質で、人の体内に入ると胃や腸によって完全に吸収されにくい。約75%が母体化合物の形式で体外に排出され、生態環境と生物安全の重大な潜在的脅威になる。
フェントン法は有機物の効率的な分解を実現するが、通常のフェントン反応は強酸条件下でないと効果を発揮しないため、実際の応用の妨げになっている。孔氏のチームは技術の研究により、形状を制御できる触媒を開発した。この触媒はフェントン法によるテトラサイクリンの分解効率を大幅に高め、さらに反応の最適なpH値を中性まで広げた。
この研究では触媒による分解のメカニズムが詳細に議論されており、実現可能なテトラサイクリン分解方法を導き出し、その分解の問題を解消した。フェントン法のpH値の応用範囲を広げ、幅広い応用の将来性が見込まれる。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年1月11日
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