睡眠ホルモンのメラトニン、安眠枕、心地よい眠りに誘うアロマといった従来の商品に加え、「画期的な技術」を売り文句にした安眠ブレスレット、睡眠をサポートするパッチやスプレーや音楽などさまざまだ。価格もさまざまで、数十元(1元は約16.5円)ほどのものから1万元を超えるものまでいろいろある。
ECプラットフォームが販売する安眠ブレスについて、企業に問い合わせると次のように説明してくれた。「このブレスはハイテクを導入しており、15日間ほど身につけると睡眠サポート効果が得られ、副作用による身体への影響はない」。米国製をうたい文句にするこの商品の価格は2千元あまり。
オフライン市場をみると、一部の大型スーパーや商店では「睡眠サポート」を掲げる商品がたくさん売られており、価格は決して安くない。
商店に置かれた首を支え、眠りをサポートする効果があるという枕は1700元以上する。業者によると、こうした商品がよく売れており、眠りをサポートする商品なら100元以上でも、さらには1千元以上でも出していいという消費者はたくさんいるという。
また睡眠に関連したアプリケーションも次々登場している。ユーザーの睡眠状態を記録して、睡眠レポートを作成するアプリもあれば、眠りを誘う周波数を出して寝付きをよくするアプリもある。起動回数がのべ1千万回を超えたアプリも少なくない。
▽睡眠の問題を解決するにはどうすれば?
医学的にみて、睡眠障害には「寝付けない」、「起きられない」、「よく眠れない」の3大カテゴリーの90種類を超える症状があり、健康レベル、生産活動の安全性、生活の質に深刻な影響を及ぼしている。
15年に全米睡眠財団(NSF)は年代別の睡眠のアドバイスを打ち出した。
それによると、一日に必要な睡眠時間は、新生児が14〜17時間、3〜5歳の児童が10〜13時間、6〜13歳の学童が9〜11時間、14〜17歳の青少年が8〜10時間、成人は7〜9時間、65歳以上の高齢者が7〜8時間という。
中国の多くの若者にとって、この基準を満たすのは非常に難しいことだといえる。
中国科学技術協会の睡眠呼吸サイエンスコミュニケーションの首席専門家の郭兮恒さんは、「睡眠障害の最も大きな誘因は精神状態や心理状態と関係がある。質の高い睡眠を得たいなら、心を整え、リラックスし、仕事と生活時間の正しいリズムを身につけなければならない」と話す。
郭さんは続けて、「電子製品の普及や夜の活動が豊富になったことから、若者の生活リズムが乱れ、その睡眠に大きな影響を及ぼした。これから睡眠障害の若年化の傾向はますます深刻化する可能性がある。寝床に就く1時間前からはできるだけ電子製品に触らないことだ。携帯電話をいじるのをやめて音楽を聴いたり本を読んだりするといい」とアドバイスする。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年3月21日