イタリアはEUの中核的大国の1つであり、欧州における中国の重要な協力パートナーだ。国交樹立以来、特に2004年に包括的な戦略的パートナーシップを構築して以来、両国関係は急速な発展を遂げ、各分野の実務協力は実り豊かな成果を挙げ、各自の経済発展に貢献してきた。習近平国家主席の今回のイタリア国賓訪問によって、両国の政治的相互信頼は一層深まり、各分野の実務協力は拡大し、地域と世界の安定及び発展に新たな原動力が与えられる。(文:劉猛・財政部国際財経センター。中国日報網掲載)
中国とイタリアの資源配置は相互補完的であり、経済・貿易協力は両国関係のバラストになっている。「一帯一路」のおかげで、地中海を中心とする海上輸送は成長を続け、イタリアの各港湾にかつてない発展のチャンスをもたらした。すでに中国はイタリアにとって海洋貿易における最大の協力パートナーの1つとなっている。2018年11月までに二国間貿易額は2017年を上回る482億5000万ドルに達した。すでにイタリアは中国にとって第9位の輸出相手国、第3位の輸入相手国となっている。イタリアの技術とブランドの優位性は明らかだ。近年イタリアは中国企業の主要な海外投資先の1つとなり、中国企業の投資が徐々に拡大している。
中国とイタリアは政府委員会、総理定期会談などの対話制度を設け、両国協力を制度面からしっかりと支えている。両国の政府上層部は頻繁に相互交流し、両国の経済関係の深い発展を後押ししている。未来に目を向けると、両国の経済関係の発展には依然として巨大なチャンスと潜在力がある。貿易面では、両国の産業構造は高度に補完的で、製造業、農業、イノベーションなどの分野での協力に巨大な潜在力がある。中国市場は巨大であり、すでに世界第2の物品・サービス貿易輸入国となっているうえ、積極的かつ自発的に輸入を拡大している。習主席は第1回中国国際輸入博覧会で、今後15年で中国の物品輸入は30兆ドル、サービス輸入は10兆ドルを超えるとの見通しを厳粛に示した。中国の国内市場は潜在力を発揮し続ける。すでにイタリアは中国との経済・貿易協力を深化する意向を表明しており、両国の経済・貿易協力は今後拡大し続ける見通しだ。中国とイタリアは現在、重慶―新疆―欧州を結ぶ国際鉄道『渝新欧』の関連施設をイタリアに設ける話し合いをしており、近い将来、国際定期貨物列車『中欧班列』は中国とイタリアの経済・貿易協力の新たな「栄養線」となる見込みだ。イタリア政府は「一帯一路」の枠組でのEUと中国の協力でリーダーシップを発揮できるよう、『中国任務チーム』を特別に立ち上げた。「一帯一路」の枠組での第三国市場などの分野で中国とイタリアの協力には巨大な潜在力があり、「一帯一路」は中国とイタリアの協力の新たな成長源となる見通しだ。投資面では、中国の全人代はすでに「外商投資法」を可決し、外資に対して参入前内国民待遇にネガティブリストを加えた管理を行うとともに、ネガティブリストの規制範囲を徐々に縮小することを明確にした。今後中国の外資導入は次第に拡大する。イタリアも中国企業の投資と事業展開を歓迎すると明確に表明している。中国とイタリアの二国間投資協力は深化し、着実になっていく見通しだ。
中国とイタリアの友好的交流には長い歴史があり、双方の協力には堅固な基礎も、広大な将来性もある。中国とイタリアにとって今年は包括的な戦略的パートナーシップの構築15周年であり、来年には国交樹立50周年を迎える。双方はこうした重要なチャンスをしっかりと捉え、発展戦略の連携を加速し、二国間協力の潜在力を深く掘り起こすと同時に、G20、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)など多国間の枠組でマクロ経済政策の調整を強化し、ルールに基づく多角的貿易体制を維持し、グローバル・ガバナンス改革を推進し、中伊関係、中国EU関係の発展に新たな原動力を加えるべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年3月22日