■開放の恩恵を世界経済に及ぼす
世界的に保護主義が蔓延する中、中国は開放拡大を堅持し、一連の措置を講じて貿易の自由化と経済のグローバル化を揺るぎなく支持しており、「開放のボーナス」による恩恵はアジア各国を含む世界経済に及んでいる。
報告は「中国は投資参入、投資の促進と円滑化などの面でしきりに措置を打ち出している。また、国際経済交流史上初の輸入をテーマとする国レベルの展示会――中国国際輸入博覧会を開催し、開放拡大の姿勢を鮮明にした」と指摘する。
一連の措置はアジア各国と中国の貿易関係を深めた。
「地域内の貿易及び直接投資依存度は50%以上を保ち、アジア地域統合は加速の趨勢にある」と、ボアオ・アジアフォーラムの李保東事務局長は指摘する。
全面的開放の新構造を築く中国の重大なイニシアティブである「一帯一路」建設がアジア経済に与えるプラスの作用はすでにはっきりと示されている。これはまた、アジア欧州経済の統合を力強く後押ししており、貿易摩擦による国際経済協力の乱れを回避し、アジアの競争力水準を高めるうえでプラスだ。
報告によると、過去5年間でアジア各国を含む130余りの国と国際組織が中国と協力文書に調印。中国と「一帯一路」沿線国の物品貿易額は累計5兆ドルを超え、対外直接投資は600億ドルを超え、現地に20万人以上の雇用を創出した。アジアインフラ投資銀行(AIIB)はすでに53億ドル余りの投資を承認し、そのいずれもが「一帯一路」沿線国・地域での事業だ。
■地域協力を深化、ウィンウィンの未来へ
現在、世界の多角的貿易・経済体制は大きな試練に直面し、国際情勢は不安定性と不確定性を高めている。報告は「地政学的リスクの上昇、多角的貿易体制の再編を求める声の高まりが、世界経済の回復を深刻に脅かしている。昨年、IMFは2019年の世界経済成長予想を3.7%に下方修正した」と指摘する。
だが、中国に代表されるアジアの各エコノミーのパフォーマンスから、報告は依然としてアジア経済と地域協力の見通しに対して強気だ。2018年にもアジアの新興エコノミーは全体で6.5%の高成長率を保ち、世界の上位に立った。数量化指標では、アジアの37エコノミーのポイントは前年度より多少上昇したうえ、相互間の格差も縮小してきている。これはより健全で均衡ある全体的状況の反映だ。
「アジアのエコノミーは内生的原動力によって成長し、発展モデルの転換を実現する契機を得た」。張氏は、アジアの各エコノミーの融合が進むに従い、アジアは世界で他に先駆けて経済成長の底から抜け出し、安全保障環境の改善も実現する見込みがあると指摘する。
発展目標を達成するには、アジア経済は依然努力する必要がある。報告は、アジアの各エコノミーは投資、規則・制度とデジタル経済を中心に、二国間レベルで現有の自由貿易協定の水準を高め、グローバル・バリューチェーンの発展を支持するべきだと指摘する。地域レベルでは、域内包括的経済連携(RCEP)交渉を積極的に推進し、「一帯一路」を新たな段階へ押し上げるべきだとする。
「グローバル化の下で共同発展することは全ての人に共通した願いだ」。李氏は「より均衡ある健全なグローバル化を進めてこそ、世界の人々により多くの実益をもたらすことができる。このためにアジアのエコノミーはより緊密に協力するべきだ」と指摘。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年3月28日