多角的貿易体制が打撃を受ける中、世界経済はどこへ向かうのか?アジア各国はどう試練に対処し、より良い発展を実現するのか?不確定性を前に、中国はどのような構想を打ち出したのか?新華社が伝えた。
今年のボアオ・アジアフォーラム年次総会はアジア経済の統合プロセス、アジアの競争力、アジアの金融の発展、新興エコノミーの発展といった問題について4つの報告を公表した。報告はアジア経済と地域協力を深く診断し、中国の改革開放がアジア経済にもたらす変化と原動力を分析し、アジア発展の見通しと未来を展望した。
■揺るぎない改革、アジア経済の「安定化装置」に
2018年に中国のGDPは前年比6.6%(8兆元)成長した。これは世界経済全体の成長の3分の1に相当する。報告は中国のマクロ経済について、下押し圧力が増大しているものの、経済運営は全体的に平穏を保ったと指摘する。また、経済成長、雇用、物価、収入などの指標を総合的に見ると、中国経済は合理的範囲内で安定的に運営されており、経済構造は調整・最適化され、発展の質と効率は改善され続けているとする。
報告は商業行政効率、インフラの状況、経済全体の活力、社会発展水準、マンパワーおよびイノベーション能力の5つの指標から、アジアの37エコノミーの総合的競争力を評価。中国は6年続けて第9位となり、うち経済全体の活力では首位となった。
「アジア地域全体の競争活力が比較的強い中、この順位を維持するのは容易なことではない」。中国国際経済交流センター米欧研究所の張煥波副所長によると、中国はこの5つの指標がいずれもある程度高まっている。「中国は改革開放の全面的深化に従い、ビジネス環境が改善され続けている。これと同時に、中国は革新駆動型発展を堅持しており、科学研究分野の資金投入では経済協力開発機構(OECD)諸国の水準に達している」とした。
世界経済成長の不確定性を前に、中国は改革の揺るぎなさを堅持している。報告は「改革のボーナスはさらに発揮される」と指摘。国際通貨基金(IMF)の張涛副専務理事は「中国は引き続き構造改革を進めることで、試練に対処する」と指摘する。