故宮に続き、頤和園も時流に乗って化粧品を打ち出し、さっそく人気検索ワードになっている。この頤和園「正宮口紅」は微博(ウェイボー)でのべ8千万人以上がチェックし、30万本のスレッドが立った。「口紅界のガチンコ対決、頤和園VS故宮、どっちが正統な宮廷リップか」などと、あおるような微博のコメントもあった。「北京青年報」が伝えた。
しかし、故宮の化粧品や一連の関連製品はすでに発売されており、今回の頤和園化粧品は人々の情熱を大いにかき立てたとはいえず、「もう目新しくない」と感じる人もいる。品質を高め、消費者のブランドバリューに対する期待に応えようとするなら、こうしたクリエイティブグッズはもっと頑張らなければならない。
▽クリエイティブグッズの口紅が人気 今度は頤和園ブランド
中国の化粧品ブランド「CATKIN」が頤和園とコラボレーションして発売した「百鳥朝鳳」シリーズの化粧品には口紅、クッションファンデーション、アイカラー、フェイスマスクの4製品があり、口紅が最もよく売れており、天猫(Tmall)の旗艦店では6千本以上が売れたという。公式な説明によれば、「百鳥朝鳳」の口紅はスタイリッシュなスクエア型で、金の縁取りが中国古代の庭園の美学にマッチし、古代建築のシルエットも入っている。鳳凰と牡丹、キンケイ、つがいの鳥などおめでたい吉祥文様があしらわれ、見えない部分にも鳳凰が隠れている。天然の植物成分が使用され、落ちにくく乾燥しにくいという。
3種類あるうちの「鳳凰の姿レッド」は「正統な宮廷カラー」とされ、強さを感じさせる赤がクラシカルなメイクを引き立てる。「鳳凰の羽レッド」は「貴婦人カラー」とされるワインレッドで、白い肌によく映える。「鳳凰の音楽レッド」はモダンなオレンジレッドだ。ネットユーザーが試してみたところ、「音楽レッド」を流行中のダーク系オレンジと比べると、イエローベースの肌により合い、顔色が明るくなって肌が白くみえるという。同シリーズのクッションファンデも1千個以上売れ、9色入りアイカラーと3タイプあるマスクの売れ行きも好調だ。
コスメブロガーの評価は、「頤和園ブランドの口紅ケースの凹凸感やマグネット付きなどは『百鳥朝鳳』シリーズが初めてではない。カラーはCATKINのこれまでのラインナップよりかなり少なく、ほとんど同じ色もある。パッケージデザインにも飛び抜けたオリジナリティがない。価格はコラボのため従来製品より10元(約166円)高い」と辛口だ。
▽業界の枠を超えたコスメはもう目新しくない?
昨年に故宮ブランドの口紅がベストセラーになると、有名な知的財産権を擁するクリエイティブ分野と化粧品とのコラボがネットで人気を集め、「故宮」マークなどの入ったコラボグッズは手に入りにくい人気商品になった。今年2月には故宮博物院の単霽翔院長が亜布力中国企業家フォーラム第19回年次総会で、「故宮ブランド口紅のただ一つの問題は手に入らないこと。90万個を急遽追加生産したが、供給が需要に追いつかない」と述べた。
故宮コスメと一連の関連商品が先に発売されており、頤和園化粧品は人々の情熱を大いにかき立てたとはいえず、「もう目新しくない」と感じる人もいる。ネットユーザーからは、「天壇口紅まもなく発売」、「長城アイカラーが手ぐすね引いて待機中」、「香山靴下が急ピッチで生産中」、「まもなく清明節、十三陵もコラボを出すか」などと揶揄するようなコメントが次々に寄せられている。
故宮を筆頭とする「スーパー知財権」が極めて大きな成功を収めたとはいえ、業界の枠を超えた知財権コラボでは、故宮のネット店舗・故宮淘宝だけでなく、さまざまなところで品質に問題が生じている。瀘州老窖が発売した香水には、「パッケージが雑」、「容器に高級感がない」、「スプレーに問題がある」、「香りが有名ブランドのものと酷似している」、「価格が高い」といった声が上がっている。大白兎リップクリームも爆発的に売れた後で疑問の声が相次ぎ、商品を受け取った後で、「ニセモノを買ったのではないか」、「過剰包装で、中身が少ないし、CMで言っていたように大白兎ミルクキャンディーの香りがしない」と思った人がたくさんいる。
クリエイティブグッズの業界の枠を超えたコラボは、コンセプトが面白いだけで、品質に力を入れなければ、消費者の熱意はすぐに冷めてしまい、失望感も大きくなり、「ブランドを利用して利益を得ようとしている」などといった悪評も立つことになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月2日