近年人気の高い研究開発プロジェクトとしての自動運転は、実用化前に実際のシーンを想定したテストにより評価を行い、その安全性を高めることで、研究開発を促進することができる。南京航空航天大学で博士課程在学中の李偉氏が開発した自動運転シミュレーションシステムは、屋外シーン及び風景の合成などで既存のシミュレーション技術の限界を突破した。サイエンス誌の姉妹誌「Science Robotics」に、この最新の成果が掲載された。科技日報が伝えた。
李氏によると、これは既存のシミュレーション技術と異なる、より正確かつ実際の状況に即した自動運転シミュレーションシステムだ。リアルな道路のシーンを自動的に構築し、自動運転車により信頼性が高く低コストの実験室シミュレーション方法を提供する。自動運転システムのルート計画と政策決定アルゴリズムの大規模な訓練及びテスト・評価に活用できる。
既存のシミュレーションシステムは交通の流れ、ドライバーと歩行者の「意思疎通」などのシーンを想定する際に、実際の環境と比べ大きな差が生じる。同システムの研究における最大の難題は、いかに道路の実際の状況をリアルに合成するかだった。李氏及び研究チームは動画と写真により実際の世界の道路と動きをシミュレートした。このデータ駆動の方法は、より現実的で有益な交通シミュレーションモデルを提供した。
李氏は取材に対して、「このシステムは実は現実環境との差を補うもので、我々の研究は現在、最も実際の環境に近いはずだ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年4月10日