日米貿易交渉はぶつかり合い 第1回TAG交渉終了

人民網日本語版 2019年04月23日10:21

日本の共同通信によると、現地時間の今月16日、日米両国政府は米国のワシントンで2日間の閣僚級による第1回物品貿易協定(TAG)交渉を終えた。日本の交渉代表を務める茂木敏充経済再生担当相は記者会見で、「両国は交渉プロセスを加速推進させ、まずは関税協議をスタートすることで同意した」と述べた。しかし今回の協議で確定させるはずだった交渉の範囲、農産品と自動車の関税、為替などの議題について、双方は意見の一致をみなかった。日米貿易交渉の先行きの不透明さに注目が集まる。

▽共通認識の到達は困難

日米の交渉は準備をしていたにも関わらず、実際に始まるとスムーズにはいかなかった。ロイター通信の報道によれば、1日目に茂木大臣と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は3時間にわたり会談。茂木大臣は会談後に、「交渉では主に物品貿易について話し合った」と述べたが、米側は、「物品貿易だけでなく、サービス貿易も含む自由貿易協定(FTA)を締結する必要がある」との見方を示した。報道は、「日米FTAは日本側が一貫して開放を拒んできた金融サービスと投資ルールに関わるものであり、TAGの締結にとどめようとする日本の交渉の意図とは食い違う」と指摘した。

日米は多くの分野で共通認識に達することが難しい。中でも農産品、自動車、為替は双方の綱引きの焦点だ。

共同通信の17日付報道によれば、米国は日本が農産品への関税を撤廃または引き下げることを求めた。米メディアの報道では、米国は日本に対し、米国から日本へ輸出される農産品について「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定」(CPTPP、TPP11)と同等のまたはこれに近い待遇を与えるよう求めたが、日本側は明確に拒否した。最終的に双方は農産品の引き下げ限度についてのみ一致したという。

自動車問題について、日本は「両国はまだ一致していない」と述べるだけで、より詳しい内容は明かしていない。ロイター通信は日本の政府関係者の話として、日本は日本の自動車輸出を制限する米国の要求を決して受け入れない方針と伝えた。

日本紙「日本経済新聞」によると、米財務省のムニューシン長官は交渉に先立ち、「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と述べた。一方、茂木大臣は為替条項については「財務相間で議論する」と語り、今回の交渉とは別との認識を示した。

▽利益のずれが明確

中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東室長は、「農産品や自動車などの工業製品の関税問題が今回の交渉の焦点だ。つまるところ、米国は日本に対する巨額の貿易赤字を是正したいのだ」と指摘する。

ロイター通信の報道では、米国のトランプ大統領は米日間に横たわる680億ドル(約7兆6085億円)もの貿易赤字に不満を抱いており、二国間交渉により問題を解決しようとしている。米国では赤字の大半は対日自動車貿易によるものと考えられており、そのため日本の自動車メーカーに対する関税引き上げを求める声が上がる。今回の交渉で、米国はこの問題に対する強い関心をたびたび表明した。

また米国は貿易赤字削減により自国の農産品の競争力を高めようとしている。「日本経済新聞」の報道では、米国は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から離脱したが、18年3月に日本、オーストラリア、ニュージーランドなど11ヶ国がチリでCRTPPに調印した。報道によると、新たな協定の枠組内で、加盟国間の農産品関税は大幅に引き下げられ、日本に輸出される米国産農産品の競争力が大いに低下したという。

米国からの圧力に直面しても、日本は国益を考えるとたやすく譲歩することはできない。分析によれば、トランプ大統領が米国の自動車関税を10%に引き上げれば、日本の国内総生産(GDP)は0.2ポイント低下し、日本経済に深刻な影響をもたらすという。

呂室長は、「米国の圧力に対し、日本の態度は強硬で、米国産豚肉や牛肉などの農産品の対日不当廉売(ダンピング)に断固として反対する。これに現在の与党・自由民主党の支持者に農林水産業関係者が多いことも加わり、日本が断固として自国の利益を守り抜こうとすることは想像に難くない。双方の利益のずれは調整しようがない」と話す。

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