人口のマイナス成長が日本経済の発展を長らく制約する

人民網日本語版 2019年04月26日10:52

日本の総務省が発表した最新のデータによると、2018年10月1日現在、外国人を含む日本の総人口は前年同期比26万3千人減少して1億2600万人になり、8年連続のマイナス成長だった。分析によれば、人口のマイナス成長がもたらすさまざまな経済問題、社会問題は日本を大いに苦しめており、これから長らく日本経済の発展を制約する可能性があるという。

データによると、総人口に占める15〜64歳の生産年齢人口の割合は59.7%に低下し、1950年に比較可能なデータが登場して以来の最低を更新した。70歳以上の高齢者の割合は20.7%となり、初めて2割を超えた。

日本のメディアと経済界の関係者は、「人口の急速な減少は日本経済が緊縮と低迷に陥った重要な原因の1つ」との見方で一致する。その理由として次の3点が考えられる。

(1)人口の持続的減少により、日本の国内市場は縮小し、消費が全体として減少した。市場の見通しは暗く、悪化も予想されることから、企業の投資意欲も減退した。こうした状況がさらに進行して、各産業・各業界には連鎖反応が起きた。その結果、経済全体として内需が振るわず、長期的な緊縮状態に陥った。

(2)人口のマイナス成長により、日本は労働者不足の苦境に深くはまり込んだ。この難問を解決するため、日本政府は女性と高齢者の労働参加の促進に力を入れると同時に、外国人労働者の受け入れも拡大した。しかし日本では女性、高齢者、外国人に対して特殊な採用制度が採用され、正社員とは異なる待遇が与えられる。女性、高齢者、外国人は安価な労働力とみなされ、その存在が多くの企業が賃金を抑え、賃金引き上げを拒否する理由になっており、社員には昇給の望みもなく、減給の可能性すらある。収入が増えなければ消費を抑えるしかなく、緊縮状態をさらに進行させる。

(3)高齢者の割合が急速に増加し、ダブルのマイナス影響を与えている。まず、日本では医療や介護などの社会負担がますます重くなり、長らく財政赤字によって補填してきたため、財政状況は悪化の一途をたどっている。また、若い世代の日本人は社会保障制度を信じることができず、早くから老後に備える必要があり、これも日本の消費の緊縮を招く重要な原因となった。

日本の政界や学術界の関係者の中には、「平成元年(1989年)に日本の出生率は1.57に下がり、少子化問題が非常に深刻になったが、政府は必ず第3次ベビーブームが来るとして、速やかに有効な対策を取らなかった。平成30年ににわたり、少子高齢化はさらに深刻化しており、世界でも前例のない高齢化社会が出現した」との見方を示す人が少なくない。

ここ数年の間、日本経済は回復し、第二次世界大戦以降で最長の景気回復期になると期待された。しかし自然災害やグローバル貿易をめぐる緊張の影響により、18年の日本の実質国内総生産(GDP)成長率は前年の1.9%から大幅に低下して0.7%になった。これと同時に、経済成長率は終始1%程度で推移し、日本の経済学者にとっても一般国民にとっても、現在の経済回復によって未来への信頼感を高めるのは難しい状況だ。

国際通貨基金(IMF)はこのほど発表した最新版の「世界経済見通し」の中で、安倍内閣の内需活性化策は日本経済の大幅な落ち込みは防ぐことができるが、世界経済は引き続き下方リスクに直面し、貿易政策にはなお不確定性が存在しているとして、日本の19年の経済成長率予想を0.1ポイント引き下げ、1.0%に下方修正した。また19年10月に消費税率が引き上げられれば、20年の経済成長率はさらに低下して0.5%になると予測する。

経済協力開発機構(OECD)がこのほど発表した「対日経済審査報告書」は、「日本経済は第二次世界大戦後で最長の拡張期に入っているが、人口高齢化や巨額債務などの挑戦に直面しており、政府は速やかに有効な措置を執り、経済の持続的で包摂的な成長を確保しなければならない」と指摘した。

日本の経済学者竹中平蔵氏は、「安倍内閣は経済復興の促進で確かに努力してきたが、財政再建や社会保障制度改革などでは多くの問題を先送りしている」と述べた。

竹中氏は続けて、「日本の潜在成長率は非常に低い。このまま何もしなければ、日本経済は長期的低迷に陥り、おそらく社会保障の負担に耐えられなくなる。潜在力を呼び起こして日本を取り戻すか、少子高齢化がさらに足を引っ張るようになるか、今は非常に重要な転換点にさしかかっている」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年4月26日

  

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