日本のコンビニ大手セブンイレブンの合弁会社セブン‐イレブン北京有限会社は、デリバリープラットフォームの美団外売に出店したのに続き、このほどElemaのデリバリープラットフォームにも出店し、オンラインデリバリー商品のカバー範囲をさらに拡大した。オンラインチャンネルでの動きが遅れていたセブンイレブン北京は、ここ2年ほどの間にデリバリーサービスを徐々に進展させているが、ローソンやファミリーマートに比べると慎重だと言える。業界でオムニチャンネル小売が主流になる中、セブンイレブン北京もデリバリープラットフォームへの出店を起点としてEC分野の取り組みを積極的に模索したい考えだ。「北京商報」が伝えた。
セブンイレブン北京は取材に対して、「昨年に比べて、デリバリープラットフォームでの受注量が120%増加した。現在、プラットフォームで取り扱う商品は1千種類を超え、一般的には、コミュニティ型店舗のデリバリー注文がより多く、大容量の飲料やおでんなどのホットスナックが商品の中心だ」とした。
店舗面積が相対的に小さく、来店客フローは大きいコンビニ業態にとって、デリバリープラットフォームへの進出が遅れたのは、デリバリーを受け付けることで店舗のサービスや効率に影響が出るのではないかとの懸念がぬぐえなかったことが背景にある。こうした問題についてセブンイレブン北京は、「セブンイレブン北京の店舗は来店客の多い時間帯に合わせて人員のシフトを組んでおり、一般的に店長がデリバリー注文に対応し、注文を受けると担当スタッフが商品をそろえて会計をする。特殊なケースでもこの担当スタッフが注文した顧客に電話で連絡することになっており、現時点でデリバリー注文による来店客の買い物への影響はみられない」と説明した。
ローソンの中国現地の小売企業がさまざまな協力スタイルを模索し、ファミリーマートがさまざまな営業販売モデルや有料会員モデルを打ち出す一方で、セブンイレブンの中国でのイノベーションは比較的に少ないようだ。無人コンビニや新小売などの新概念、セルフレジやECなどの新しい取り組みにも、セブンイレブンはそれほど興味を示してこなかった。
セブンイレブン北京の関係責任者は、「今、セブンイレブン北京が一番力を入れているのは、日配生鮮食品の開発だ」と述べた。
セブン‐イレブン(中国)の内田慎治会長はこのほど取材に答える中で、「今、人々がこぞって強調する新小売は実際には主に『サービス』という観点から出発したものだ。世界全体の状況を踏まえると、中国小売産業の『サービス』は発展が速く、先進的であることは間違いない。たとえばデリバリー配達、モバイル決済などは、『サービス』という側面で消費者のニーズを非常に十分に満足させているが、商品という側面では消費者のニーズに十分に応えることがまだ難しい。しかし消費者がコンビニで買うのはサービスではなく商品なのであり、質が高く、価値のある商品こそが消費者を引き留めるカギになる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月29日