中国国家統計局がこのほど発表した工業企業財務データによると、今年3月には全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の利益が前年同期比13.9%増加し、増加率は今年1〜2月の同14%減少から大幅に回復・上昇した。今年1〜3月の工業企業の累計利益は前年同期に比べて減少したが、減少率は3.3%となり、1〜2月より10ポイント以上縮小した。「北京青年報」が伝えた。
同局工業統計司の朱虹シニア統計家は今年第1四半期の工業企業利益データを分析する中で、「生産販売の伸びが速く、価格が安定回復したことが、中国の工業利益増加の目に見える回復・上昇を促進した」と指摘。統計をみると、3月の一定規模以上の工業企業の生産額の前年同期比実質増加率は8.5%で、1〜2月を3.2ポイント上回った。工業企業の営業収入は同13.7%増加し、増加率は1〜2月を10.4ポイント上回った。鉱工業生産指数(IPI)は同0.2ポイント上昇し、上昇率は1〜2月を0.1ポイント上回った。速報値の計算によると、物価変動の影響で工業利益は同約268億元(約4442億円)増加し、利益の伸びへの寄与は1〜2月を4.5ポイント上回ったという。
統計をみると、3月には自動車、石油加工、鉄鋼、化学工業などの重点産業の利益が目に見えて回復した。自動車産業は値下げや新車発売などの要因があったため生産販売がともに回復し、自動車製造業の利益が同1%増加し、1〜2月の42%減少というマイナス局面を抜け出した。石油加工産業は工業製品の価格が上昇したため、利益が同13.9%減少となり、減少率は1〜2月より56.5ポイント縮小した。鉄鋼産業は利益同15.2%減少、減少率同43.8ポイント縮小、化学工業は利益同3.2%減少、減少率同24.0ポイント縮小となった。上記4業界全体で一定規模以上の工業企業の利益増加率を1〜2月比12.8ポイント引き上げた。
また付加価値税の税率引き下げによる牽引効果、春節(旧正月、今年は2月5日)が2月になったことの影響、比較の対象となる2月の基数が低かったこと、投資収益増加などの要因も、利益増加率をある程度引き上げた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月29日