中国と豪州の科学チームは、栄養の消化吸収構造を見ると、竹を主な食べ物としているパンダが、草食動物ではなく肉食動物に属することを発見した。新華網が伝えた。
このほど米学術誌「カレントバイオロジー」に掲載された研究によると、パンダが日常的に取り入れるタンパク質と炭水化物の量は「スーパー肉食動物」により近い。吸収するエネルギーのうち約半分がタンパク質で、これは狼や野生のネコ科の動物に近い。
論文の連絡著者、中国科学院動物研究所の魏輔文研究員は「食べ物の種類を見ると、パンダは草食動物により近いようだが、食べ物の栄養の消化吸収構造を見ると、パンダは肉食動物に属する」と述べた。
魏氏のチームと豪シドニー大学の栄養生態学者によるチームが行ったこの研究によると、食肉目クマ科のパンダには高度に特化した食草性がある。繊維質の食事に適した頭蓋骨、顎の筋肉組織、歯の形がある。竹をつかむために用いる「偽親指」があり、さらに「鮮味」を見分ける能力を失っている。この能力は通常、食肉と関連している。しかしパンダには肉食動物に近い消化器官、消化酵素、腸内微生物がある。
研究結果によると、パンダの進化の程度はこれまで考えられていたよりも低く、さらにはより「表面的」なもので、消化系の変化が小さい。これはパンダが草食と肉食動物の特性を兼ね備えていることの説明になる。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年5月7日