中独の科学者、5億年以上前の原始的海綿の化石を発見

人民網日本語版 2019年05月07日14:00

中国科学院南京地質古生物研究所が明らかにしたところによると、中国とドイツの古生物学者でつくる研究チームはこのほど、湖南省で立体保存されている太古の海綿の化石を発見した。これらの化石は5億2100万年前に形成されたもので、早期の海綿及び多細胞動物全体の起源と進化の研究にとって重要な意義を持つ。新華社が伝えた。

人々がよく目にする日用品のスポンジ(海綿)は、人工的に合成された高分子発泡体だ。自然界にも海綿と呼ばれる動物がいて、多細胞動物の中で最も古い動物類型の一つだ。古代ギリシャの時代から、人々は骨針のない海綿の骨格を体を洗う用品として使用していた。当初の人造海綿も、合成材料を用い天然海綿を真似して開発された。多細胞動物の起源と早期の進化について議論するならば、海綿動物は避けては通れない話題だ。

研究者は今回、湖南省張家界付近の珪質リン岩の中から、その場で立体保存されている海綿の化石を発見した。これは現在知られているうち最も古い、その場で骨格構造が保存されている海綿の化石だ。これまでの放射性炭素年代測定及び生物地層学の研究に基づき、研究者はこれらの太古の海綿が生きていた時期は今から5億2100万年以上前のカンブリア紀前期であると推測した。形態的に見ると、これらの化石の多くが不規則的な球形、楕円体として保存されており、中心から外側に向かい骨針が伸びている。海綿の直径は数ミリから1−2センチの間。細かく比較対照することで、科学研究者はこれらの化石のうちの一部が、原始的な六放海綿の形態に合致すると判断した。

今回の研究に参加した中国科学院南京地質古生物研究所の羅翠副研究員によると、原始的な六放海綿の他に、研究者はリン岩の中からその他の形態の海綿の骨針を発見した。これらのリン岩の中に、さらに多くの海綿の類型が保存されていることが分かる。

関連研究成果はこのほど、ドイツの古生物学専門誌に掲載された。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年5月7日

  

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