「実のところ中国の古生物研究は、現在、すでに世界トップレベルにある。しかし、科学普及という点では、欧米先進国に比べ、かなりの遅れをとっている」と蘆さんは指摘する。
蘆さんが高校生の時、ココシリに棲むチベットカモシカ密猟事件が世間を賑わせた。その映像を見て大きなショックを受けた蘆さんは、「将来、必ず野生動物を保護したい」とひそかに決心した。両親はもともと、娘が楽器の演奏者かキャスターになることを望んでいた。だが、偶然が偶然を呼び、蘆さんは高校卒業後、四川師範学院(現・西華師範大学)生物学科に進学し、その後中国科学院古脊椎動物・古人類研究所に入り修士号と博士号を取得した。
盧さんの研究テーマは、「4億2千万年前から3億6千年前の古魚類の進化」。彼女が最も好きなのは、稀少な古魚類の一種「シーラカンス」。彼女は、書棚に、人気アニメ漫画「ドラゴンボール」の1ページを貼っている。そこには、悟空と1匹の大魚が描かれている。「小さい時、この漫画を読んで、この大きな魚が深く印象に残った。それから数十年経ち、これがシーラカンスであることをようやく知った」と蘆さん。
人類の祖先は魚類だと言われているが、この進化のプロセスを理解している人は少ない。「人間がどこから来たのかを知ることは、今後進むべき道を理解するのに役立つ。脊椎動物が進化を遂げてきた歴史の長いプロセスにおいて、人類はその微々たる一環に過ぎない。人類が万物を支配できるなどと思ってはならない。人類は、大自然というファミリーの一員に過ぎないのだから」と蘆さんは強調した。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年9月17日