29歳になる丁真真さんは、北京の街を駆け抜ける普通の宅配便配達員だ。ビル約30棟への集配サービスを担当しており、1日に取り扱う宅配荷物の件数は100件を上回る。新華社が報じた。
丁さんは、「仕事で最もプレッシャーが大きいのは、やはり集荷業務だ。毎回、1時間前にアプリに集荷情報が表示され、顧客の指定した時間から1時間以内に荷物を受け取りに行かなければならない。忙しい時には、平均3分に1件、集荷に追われる」と話す。
記者が彼女に同行した。1件届け終わると、休む間もなくすぐに宅配車の荷台から次の荷物を取り出し、発車させた。宅配車を運転する丁さんのおでこには玉のような汗が流れ続けたが、丁さんはそれに構っている余裕もなく、宅配車を走らせ続けていた。
届け先に到着しエレベーターに乗りこんだ丁さんは、カードをかざさないとエレベーターが動かないことに気づいた。丁さんは少しもためらうことなくエレベーターを飛び出し、階段で4階に向かった。スリムで小柄な身体が階段の先に消えていった。
アリババ傘下の宅配アプリ「菜鳥裹裹」が発表した統計データによると、全国規模で、「菜鳥裹裹」に登録している女性宅配員は11%を占めており、顧客からは、「親しみやすい」、「優良なサービス」といった高い評価が寄せられている。
女性宅配員は、荷物の受取り・配達業務のほか、日々の宅配物の積み下ろし作業にも携わっている。宅配物が到着したという通知を受け取ると、彼女らは急いで積み下ろし倉庫に駆け付け、速やかに宅配物を1つずつ宅配車に乗せ、分類別に積み上げる。
これまでに辛い事や面倒な事はなかったのかと丁さんに尋ねたところ、彼女は笑いながら、「幸いなことに、嫌な思いをしたことはありません」と答えた。
丁さんの配達ルートでは、丁さんを見かけた顔なじみの人たちが彼女に声をかけ、いろいろ気を配ってくれる。ボトル入りの水やフルーツを少し渡してくれる人もいる。「いつも、彼らの思いやりをとても嬉しく感じている」と話す丁さんは、顔中に大粒の汗を浮かべ、光り輝くような笑顔を見せた。汗をぬぐうと、彼女は再び次の配達に向かった。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年8月6日