▽値下げ戦略
産業経済ウォッチャーの丁少将氏は、「アップルファンというベースがなお存在するので、アイフォーンは成長の可能性は小さいものの、さらに縮小するまでにはまだ時間がかかる。またアップルの値下げ戦略もある程度役割を果たした」との見方を示した。
確かに、昨年の高価格に比べ、今年は基本モデルの11の価格設定はだいぶ理性的なものになった。699ドル(1ドルは約107.8円)から、人民元にすれば5499元からで、昨年のテンアールに比べて1千元ほど安くなった。実際、ここ2年間に中国市場でシェアが低下を続けたことから、アップルはたびたび値下げという「キラーコンテンツ」を打ち出してきた。
この前もアップルは値下げのうまみを味わったことがある。例えば今年1月には京東、天猫、蘇寧でアイフォーンの大幅値下げを行った。天猫のデータでは、1月13日に天猫で値下げが始まってから1月29日までの半月で、アイフォーンの売り上げは76%増加した。蘇寧のデータによれば、1月11日の値下げ開始から1月30日までに売り上げは83%増加し、中でも「iPhone8」(アイフォーン8)とテンアールが最も人気の機種だった。
産業ウォッチャーの梁振鵬氏の見方では、「今年のアイフォーンは昨年よりあまり改良されていないが、トリプルカメラの搭載、バッテリーの持続時間の延長、処理速度の約20%向上により、機種変更を考えていたミドルクラス・ハイクラスユーザーが購入すると考えられる。多くの消費者(アップルファン)は基本的に1-2年に1度、新機種に変更する上、必ずしも必要でなくても試してみたいと考える」という。
▽予想は低め
中国では予想外に予約が好調だが、アップル自身は11シリーズにそれほど高い予想を抱いていない。先に産業チェーンから伝わった情報によれば、今年の11シリーズの第1期ストックは800万台で、昨年の「iPhone XS」(アイフォーンテンエス)シリーズより10%少ない。このうち11の売り上げ予想は楽観的で、ストックのうち60%を占める。次は11プロマックスで30%、11プロはわずか10%だ。
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