廃棄された折りたたみ型スマホを無毒・無害で分解し、体内に植え込まれた電子チップを自動的に体内に溶け込ませる…。天津大学が明らかにしたところによると、同校精儀学院の黄顕教授が率いるチームは、「水誘導焼結」印刷技術の開発に成功した。世界で初めて低エネルギー消費・低コストの生体吸収性柔軟電子部品の生産を実現した。これは柔軟電子材料生産の革命的な進展になる見込みだ。関連研究成果は国際的に権威ある学術誌「Advanced Functional Materials」に掲載されている。科技日報が伝えた。
柔軟電子設備はエネルギー、医療、情報通信などの分野で高い将来性を持つ。柔軟電子印刷技術は精密印刷技術を用い電子部品もしくは回路を作り、色を示すインクの代わりに電子機能を持つインクを使用し、柔軟基質の図形に印刷することで電子機能を持たせる。
黄氏のチームが世界で初めて開発した「水誘導焼結」柔軟電子印刷技術は、無水物が水に触れると弱酸を生む特徴を利用し開発した新型ナノ金属導電インク及び新型焼結方法だ。高温やレーザー、高強度光パルスを必要とせず、水蒸気を使うことで室温環境内で柔軟電子回路を作ることができる。この方法で生産された柔軟電子部品は通常の使用条件で長期的・安定的に稼働する。特定の湿度になると無毒分解される。高い生体吸収性を持ち、生物医学分野で高い将来性がある。
黄氏によると、「水誘導焼結」印刷技術とナノ導電インクを使用することで、ユーザーは高額の焼結設備を購入する必要がなくなる。柔軟電子部品の大規模な量産化により、現在のコストの1%まで引き下げることができる見通しだ。新型柔軟電子部品の加工・処理技術は、生体吸収性電子設備の大規模な商業化生産に大きな利便性をもたらしてくれる。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年9月27日