国際輸入博覧会の波及効果が拡大を続ける

中国の人々の消費高度化ニーズに対応、海外企業の中国市場進出を円滑に

人民網日本語版 2019年10月17日16:05

スウェーデンの医療機器大手エレクタが製造した正確かつ自動的にターゲットを照射する最新のガンマナイフは、昨年11月に開催された第1回中国国際輸入博覧会で「中国初お目見え」し、それから約3ヶ月後には上海伽瑪病院に導入され、これまでに2千人を超える中国人患者を治療してきた。人民日報が伝えた。

エレクタ中国エリアの劉建斌副社長(市場ディレクター)は、「第1回中国国際輸入博覧会の開催中、弊社には調達契約の意向数十件が寄せられ、今や弊社の中国従業員数はスウェーデンの本社を上回り、中国での研究開発力はいずれ弊社の世界における研究開発力の半分を担うようになるだろう」と述べた。

第1回輸入博が閉幕してからの1年間、展示品の多くが商品に変わり、関連政策がすでに実施されたか実施されつつあり、中国の人々の高度化を続ける消費ニーズを満たしただけでなく、海外企業にも中国市場進出のための円滑なルートを提供し、輸入博の波及効果が絶えず顕在化している。

永遠に幕が下りない輸入博を

1年ほど前、上海市は第1回輸入博の各種サービス保障業務をしっかり行うと同時に、初の常設展示取引プラットフォームとなる「6+365天」を設置し、展示品が商品に変わるよう促進した。上海虹口輸入商品展示取引センターは輸入博の波及効果を受け継ぎ、それを拡大するための中心的プラットフォームで、計画の位置づけを踏まえ、これから保税展示、商品取引、物流貯蔵、通関サービスを一体化した常設の保税展示取引の場所になり、長江デルタを連動させ、全国にサービスを提供し、アジア・太平洋地域に影響力が及ぶ輸入商品集散地を構築することになる。今年5月にスタートして以来、世界26ヶ国の400を超えるブランド、2500品目以上の商品がここに集まるとともに、保税展示モデルと保税延長取引モデルを模索してきた。

今年9月25日、上海虹橋ビジネスエリアB型保税物流センターが完成して運営をスタートした。同センターは保税展示取引と越境EC業務を展開することができる。上海虹橋国際輸入商品展示販売有限公司の蔡軍社長の説明によると、「輸入商品は入国後に業者が直接、保税延長プラットフォームに配送するため、物流などいくつかの段階にかかる運営コストを圧縮し、多くの輸入商品で海外との同価格まで実現した」という。

輸入博会場に隣接する輸入博の常設展示取引プラットフォーム——緑地グローバル商品貿易港には、開業から1年足らずでのべ35万人の顧客が訪れ、各種商業貿易マッチングイベントが50回以上行われ、中国内外の専門のバイヤー約700組を受け入れ、企業150社が川下のルートとのマッチングに成功するよう後押しした。

制度の刷新が試行から常態へ

第1回輸入博では、ニュージーランドの乳製品会社ザランドの新鮮なミルクが同国の牧場からわずか72時間で中国人消費者の食卓に届き、来場した業界関係者を感嘆させた。それから1年足らずで、同社の乳製品はオフラインルートが中国の26省・直轄市・自治区レベル行政区域に広がり、オンラインルートは全省・市・区をカバーした。北京、上海、広州、深センの一線都市だけでなく、三線都市や四線都市、さらには遠い山間地帯の消費者でも、手軽にすぐに「輸入博と同じもの」を入手できるようになった。

こうしたことを実現できたのは、輸入博が提供する協力の機会のおかげであり、国の貿易円滑化政策と切り離せない。第1回輸入博開催中、中国税関とその他の監督管理当局は制度とプロセスを刷新したとともに、これを試行的運営から徐々に常態化した運営へと発展させ、ますます多くの海外企業をカバーするようになった。

上海税関は輸入博を保障する専門機関の上海エキシビションセンター税関を設立し、国際的エキシビションの監督管理資源を統合し、輸入博に通年対応し、輸入博のニーズにいつでも応えている。

政策による円滑化は医薬分野で最も目に見える効果を上げた。昨年の第1回輸入博でお披露目されたエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社の抗がん剤「アレセンサ」は、米国での認可からわずか9ヶ月後に中国でも認可を受け、それから47日で初めて処方された。ロシュ社の中国企業事務・コミュニケーション部の隆偉利副部長は、「これまで、海外新薬は中国で認可され販売されるまで欧米より5-6年遅れるのが普通だった。アレセンサが急ピッチで認可販売されたことから、中国の政策の刷新がもたらした加速傾向がうかがえる」と述べた。

各方面の協力・ウィンウィンを着実に推進

長江デルタ地域一体化発展を国家戦略に格上げすることを後押しするのは、習近平国家主席が第1回輸入博開幕式の基調演説で述べたことだ。輸入博メーン会場は上海虹橋ビジネスエリアにあり、長江デルタの主要17都市と全面的な協力連携関係を構築し、長江デルタECセンターなど一部の機能的プラットフォームは、今や長江デルタ地域の各種貿易主体が輸入博の波及効果を受け継ぐための拠点になっている。

長江デルタだけではない。天津市では、米食品会社マースの新工場の建設着工準備が進められており、完成すれば、同社にとって世界最大規模のペットフード工場の一つになる。敷地面積は約11万平方メートルに達し、年産能力は25万トンを超える見込みだ。同社は昨年、輸入博で多くの新製品を展示し、市場の反応が良好だったことから上層部が対中投資への自信を深めた。

第2回輸入博はまもなく開幕する。中国共産党上海市委員会の李強書記は、「より高い要求を指標とし、より高い水準を体現し、より優れた環境を構築し、より多くのイノベーションを喚起して、第2回輸入博が『展示会のバージョンアップ、サービスのバージョンアップ、イメージのバージョンアップ、成果のバージョンアップ』を実現し、輸入博の波及効果をさらに拡大するようにしなければならない」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年10月17日

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