11月13日、「回帰之路--新中国成立70周年流出文化財返還成果展」に展示された円明園馬首銅像(撮影・李賀)。 |
円明園馬首銅像の寄贈式が13日午後、北京市の国家博物館で行われた。馬首銅像は澳門(マカオ)地区の実業家であるスタンレー・ホー氏によって寄贈され、北京の円明園管理処に収蔵される予定となっている。
現在までに、円明園十二生肖獣首銅像のうち鼠首、牛首、虎首、兎首、馬首、猴(猿)首、猪(豚)首の7体が返還された。2018年、流出した竜首銅像とみられる品がオークションに出品された。しかし蛇首、羊首、鶏首、狗首は現在も行方不明となっている。
円明園馬首銅像は、清代に造営された円明園長春園の西洋建築群「海晏堂」の外に設置されていた十二生肖獣首噴水の主要な構成部分の一つ。1860年に英仏連合軍が北京に侵攻し、円明園が強奪と焼き打ちに遭った際、馬首銅像は他の11体の獣首銅像とともに海外に流出した。
馬首銅像はイタリア人のジュゼッペ・カスティリオーネが設計し、東西の芸術理念と設計スタイルを融合し、清代乾隆年間に宮廷の職人たちによって丹念に製作された。精錬された銅を材料とし、落ち着いた深い色合いで、ロストワックス一体鋳造法で鋳造されている。まるで本物のように生き生きとしており、毛並みやたてがみも克明に表現され、百年の歳月を経ても腐食することなく、極めて高い工芸レベルを示しており、非凡な中国古代芸術品となっている。
2007年8月、国家文物局は円明園馬首銅像が香港サザビーズのオークションに出品されるとの情報を得て、すぐさま公開オークションを中止するよう求める断固たる立場と文化財の返還を求める要望を伝えたところ、香港サザビーズはこれに積極的に協力した。9月、こうした状況を知ったスタンレー・ホー氏は、強い祖国への想いと責任感から、気前よく資金を出して流出した馬首銅像を買い取り、この流出した文化財の百年以上にわたる「放浪生活」に終止符が打たれた。その後、馬首銅像は香港・マカオ地区で公開展示されていた。
国家文物局の交渉を受けて、今年11月、スタンレー・ホー氏は馬首銅像を正式に国家文物局に寄贈することを決めた。
寄贈式の後、馬首銅像は他の6体の獣首銅像と北京で「再会」し、文化・観光部(省)と国家文物局が主催した「回帰の路--新中国成立70周年流出文化財返還成果展」で展示された。中国国家博物館の北2、3展示ホールで、11月27日まで一般公開されている。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年11月14日