(撮影・拾壹)
中国人は火鍋が大好きだ。「火鍋を味わおうとする舌の『熱さ』は火鍋の温度の100倍にもなる」などという人もいる。今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)には、あるブランドのインスタントミニ火鍋商品がわずか2分で100万元(1元は約15.5円)の売上高を達成した。「工人日報」が伝えた。
企業情報プラットフォーム・天眼査のまとめたデータによると、中国で業務内容に「火鍋」が含まれる新設企業、既存の企業、主管機関が変更になった企業は12万社を超える。19年だけで新たに火鍋関連企業1万2千社が設立され、言い換えれば、1日あたり平均約30社が誕生した計算になる。
20年の火鍋産業は規模が1兆元突破の見込み
「火鍋は中国人にとってバイキングのようなもの」。有名なテレビ司会者はこんなシンプルな言葉で、中国人と火鍋へのこだわりを表現した。
中国には火鍋に6つの大きな系統がある。ピリピリと辛くてスパイシーな四川風火鍋、「羊肉のしゃぶしゃぶ」が特徴の北京風火鍋、牛肉と海鮮が入った広東風火鍋、小鍋で手軽な台湾風火鍋、酸味と辛味が入った雲南・貴州風火鍋、及びその他の特色ある火鍋だ。
今年7月、中国飯店協会は「2019年中国外食産業年次報告」を発表し、その中の1組のデータが火鍋に対する中国人の愛を証明した。それは、18年に全国の火鍋産業の売上高は8757億元に達し、全国の外食産業の売上高(4兆2716億元)の20.5%を占め、最大の細分化項目になったというデータだ。同協会の関係責任者は、「2019年には9600億元前後の規模に達し、20年は1兆元を突破する見込みだ。火鍋産業の売上高はこれからも引き続き増加するだろう」と予想する。
中国人の火鍋熱の高まりに伴い、一連の火鍋企業は上場企業に「変身する」ことにも成功した。最も有名なケースは18年9月に香港で上場した海底撈であることは間違いない。海底撈の営業収入はここ数年、急増を続け、17年は106億3700万元、18年は169億6900万元に上り、19年上半期は116億9500万元で前年同期比59.3%増加し、純利益は9億1100万元で同約41%増加した。
海底撈は「初めての火鍋上場銘柄」ではなく、その前には香港市場で上場した呷哺呷哺と頤海国際も続々と香港市場に上陸している。