新型コロナウイルス感染による肺炎の予防・抑制のため湖北省に馳せ参じた医療チームの人々が郷里の味を恋しがっている。ではどうすればいいだろう?そんな「難題」をこのほど山東省の人々が快刀乱麻を断つように解決してみせた。山東大学第二病院湖北支援国家医療チームは18日、山東省から運ばれたマントウ(中国式蒸しパン)の差し入れを受け取った。そして夕食時、医療チームのメンバーである陳暁琳さんと張倩さん、王莉さん、常超さんの4人は微信(WeChat)動画チャットで嬉しそうにマントウをほおばる姿を見せ合った。人民網が報じた。
張倩さんは、「私たちが武漢を支援に来ていることを、故郷の人たちがとても気にかけてくれていることが分かり、ものすごく感動した」とした。
この差し入れは、湖北省の第一線で勤務する山東省の医療チームがどうしても米を食べ慣れず、故郷のマントウが懐かしくて仕方ないともらしたことが発端。彼らの故郷山東省で英雄たちの帰りを待ちわびていた人々はこれを耳にするや居ても立ってもいられず、直ちに同省徳州のあるマントウ加工業者が山東省名物の大ぶりなマントウ10万個を寄贈し、湖北省武漢市や黄岡市に次々輸送された。
さらにマントウだけでなく、徳州からは乾麺、蒙山からは羊肉、平度からは水餃子、そして沂源からはリンゴといったように、大型トラック3台には山東省の特産物がぎっしり積みこまれ、医療チームのメンバーが滞在している9軒のホテルに届けられた。水餃子だけでもなんと8.5トンもあったという。
そんな豪快な山東省だけでなく、他の地域でも郷里の人々や心ある人々が、湖北に支援のため派遣されている医療従事者たちをバックアップしている。
故郷の油溌麺(ピリ辛混ぜ麺)を懐かしむ陝西医療チームのメンバーには、チームリーダーの馬現倉さんが後方支援チームの指揮をとり、彼らのために熱々の本場・陝西油溌麺をふるまった。
福建福清市のウナギ業協会は、複数のウナギ養殖業者を組織し、湖北を支援する福建医療チームに高級ウナギのかば焼き約9トンを寄贈した。看護師の孔令楣さんがSNSに投稿したウナギのかば焼き定食に思わず唾を飲み込んだ人も少なくないだろう。
食にこだわる広東人は、さらに凄い。広東料理のシェフは湛江鶏や水産物など十数トン以上の食材と共に医療チームの駐在地に入り、朝から晩まで、熱々の食事をチームに提供し、メンバーの胃袋をしっかり満たしている。
山西第十陣湖北支援医療チームには太原武宿空港で、山西の人々の食事に欠かせない黒酢の老陳酢一瓶が各人に配られた。
食事に対する特別な配慮だけでなく、貴州省や吉林省は医療チームのために、「思いやりセット」を準備している。性別やサイズ別に準備されたこのセットには、歯ブラシや歯磨き粉、シャンプー、ボディシャンプーといった日用品だけでなく、電気毛布や湯たんぽ、保温下着まで詰められている。また女性向けセットには、生理用ナプキンや成人用紙おむつ、ドライヤー、爪切りといった細々としたものまで用意されていた。
こうした思いやりに満ちた支援に、ネットユーザーからは以下のようなコメントが寄せられている。
「感動のあまり思わず涙ぐんだ」
「本当に地方によって全然違うということが分かった。素晴らしい!」
「祖国の大ファミリーは本当に思いやりにあふれてる。どこかが困難に陥ればすぐに支援に向かう。感染拡大が1日も早く収束し、花が咲き乱れる春がすぐにやってくると信じている。」(編集KM)
「人民網日本語版」2020年2月24日