2020年2月22日午後、新型コロナウイルスに感染したものの、浙江省湖州市徳清県人民病院乾元院区で治療を受け治癒し、退院する▲さん(28歳、▲は人かんむりに示)。退院の際、▲さんは医療従事者に何度もお辞儀をして感謝を示していた(謝尚国/人民図片)。
浙江省杭州市西溪病院で2月15日、主に中医薬療法を採用した治療を受けた88歳の新型コロナウイルス感染患者が治癒した。治療に携わった杭州市中医薬専門家グループの副グループ長を務める、杭州市中医学病院の林勝友副院長は、「中医薬を活用して防疫に励むための自信が強まったことに疑いの余地はない。この患者を受け入れてから、まず、通常の西洋医学療法を施した。しかし、高齢であることに加えて、持病があり、体が抗ウイルス薬に耐えることができなかったため、『中医薬+インターフェロン噴霧』の中医学療法に変更したところ、回復が早まった」と説明した。
同様に、同省湖州市でも中医薬療法を受けた56歳の女性患者が回復に向かっている。同女性は重症患者で、中医薬療法を施された後、体温が少しずつ下がり、息苦しさなどの呼吸器症状が明らかに改善し、短期間で重症ではなくなった。湖州市の新型コロナウイルス感染による肺炎に対する中医薬による予防・治療専門家指導グループのグループ長を務める、湖州市中医学病院の■氷副院長(■は稽の旨が山)によると、湖州市で新型コロナウイルス感染が確認された患者は10人おり、治療の全ての過程で中医薬が採用されている。
浙江省各地は、ターゲットを絞った中医薬による治療を採用する対策を講じており、ウイルスとの闘いにおいて、中医薬を早い段階で採用し、さらに全面的に、深く施すことができるよう対策を効果的に推進している。さらに、「中医学による治療を前面に押し出し、第一段階で中医薬を採用する」という原則に基づいて、中医薬の採用開始対象者を、「感染が確認された患者」から、「感染の疑いがある人」へと変更した。浙江省衛生健康委員会中医薬管理局の謝国建局長によると、「感染の疑いがある人が、感染が確認される前の時点で、中医学の医師が診察に参加し、すぐに中医薬を処方している。各地や省レベルの中医薬を使った治療の科学研究グループの報告によると、すぐに中医薬を処方された患者は、発熱、咳などの症状が明らかに改善した」という。
1月24日、乗客約330人を乗せたTR188便が、シンガポールから同省の杭州蕭山国際空港に到着した後、杭州市はすぐに中医学病院が、乗客219人分の予防のための中医薬を配布し、隔離されて医学的観察を受ける人やスタッフに、中医薬による予防的介入を実施した。医学的観察期間が終わった2月8日の時点で、規定に基づいて、それを服用していた人のうち、感染が確認された人は一人もいなかった。「感染の危険の高い人の予防という面で、中医薬が有効であることを十分に示している」と謝局長。
中医学による予防・治療案の最適化が実施される過程で、浙江省の省レベルの中医学専門家グループや中医薬による予防・治療専門家指導グループ、各市の専門家グループなどが連携し、国の計画と結び付け、浙江省の季節や気候の特徴、地理的環境、同省の患者の特徴などを考慮に入れながら、中医薬推薦案を4度調整して最適化。中医薬による予防、患者治療、治癒・退院後のリハビリなどの診療行為を規範化した。
現在、浙江省各地の多くの病院で、患者が中医薬の煎じ薬を服用しているほか、病室に中医薬の香袋が設置されたり、ツボマッサージが行われたり、「八段錦」と呼ばれる体操や呼吸法が取り入れられたりしている。
浙江省では、濃厚接触者が予防用の中医薬を、感染の疑いがある人が中医薬を服用するほか、中医学の医師が隔離病棟に入って、治療やリハビリ中の患者への中医薬投与を実施する中医薬予防・治療システムが既に確立されている。今月18日の時点で、浙江省全域で治癒・退院した患者は累計で544人、治癒率は46%に達している。また、全体の96.84%を占める感染が確認された患者1136人に対して中医学による治療が実施され、治癒した患者は493人、症状が改善した患者は523人、治療効果観察中の患者は120人となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年2月24日