旧暦2月2日(今年は2月24日)の「龍擡頭」は中国の伝統行事で、「春耕節」や「青龍節」とも呼ばれている。「龍擡頭」は、二十四節気の「啓蟄」と「春分」の間にあり、陽気が地中から溢れ出し、春雷が鳴り響き、雨量が増え、気温が上昇する時期で、春の耕作がこの時期から始められる。中国新聞網が伝えた。
旧暦2月2日の「龍擡頭節」は、昔の中国人にとってはとりわけ重要な日だった。龍を崇め奉ることで災いを避け、吉を招き、素晴らしい生活を送るという人々の願いを託す。そして人々の幸福や全ての生き物の平安、五穀豊穣を龍神に願う。昔ながらの風習に従うと、旧暦2月2日を過ぎて初めて全ての「年越し」が終わることになる。
〇旧暦2月2日は散髪の日
古くから大人も子供も旧暦2月2日には散髪する風習が伝わっている。この日に散髪をすると、その1年間、幸運に恵まれると言われており、「幸運が頭に降り注ぐように」との願いも込められている。
しかし、あなたの行きつけの美容室はもう店を再開しているだろうか?
自宅隔離をしていたこの1ヶ月、すっかり伸び切ってしまった前髪や原型をとどめていないヘアスタイルを整えながら、旧暦2月2日もすでにやって来てしまった。今「一番会いたい人」と問われたら、皆きっと「美容師さん!」と答えるに違いない。
そんな美容師に対するネットユーザーの熱い思いがネットを賑わせ、美容師に関する話題が人気検索ワードにたびたび登場するようになっている。
「もし美容院がこれ以上営業を再開しなかったら、私の弟は妹になっちゃうかも」
「使いやすい電動ヘアカッターのブランドってある?オシャレなシティーガールがこのままじゃターザンになっちゃう」
ネット通販プラットフォーム「拼多多」は19日、「引きこもりの人々に売れている十大ヒット商品」ランキングを発表し、「理髪グッズ」が堂々トップに立ち、統計対象期間内の「理髪グッズ」検索回数は、前年同期比410%増加した。
あるネット通販プラットフォームで発売されている理髪グッズ
特に、この7日間で、一部商品の販売量が10万台を突破し、オンラインで同時に購入している人は平均1千人を突破した。理髪グッズの売上総額は3千万元(1元は約15.9円)を上回り、単価30元として計算すると、全国の消費者が一週間で100万台の理髪グッズを購入したことになる。
淘宝や京東などの他のネット通販プラットフォームにおいても、理髪グッズの人気はすさまじい勢いを見せている。複数のカスタマーサービスに問い合わせたところ、いずれも「当面の間、理髪グッズの販売情勢は非常に期待できる」という回答だった。
北京市美髪美容協会はこのほど、公式サイト上で、「秩序よく安定して通常の営業を再開させること」という公告を発表した。協会は、市内美容室の各店舗に対して、営業再開に先だち、防疫に関する規定をクリアするよう求めている。
散髪時には、美容師も客もマスクを着用しなければならない(資料提供・取材先)。
北京のある美容院の店長を務める何氏は、「もともとは、2月3日に営業を再開する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の関係でまず10日に延び、さらに20日まで延びた。現在、店内では、ずっと北京に留まっている美容師1人だけが業務にあたっている。旧暦2月2日の龍擡頭には、通常営業の状態に近づいているはずだ」と話した。
特別な時期には特別な対応が求められる。何氏の美容院でも一連の措置を講じており、「客が来店した場合、まず体温測定を行う。商業施設の入り口で1回目の測定、我々の店で2回目の測定となる。全ての理髪用品は、使用前に消毒する。全ての使い捨てタオルと使い捨て散髪ケープは、1人ごとに交換する。ヘアスタイリストとアシスタントは全員マスクを着用し、地面に落ちた頭髪は、毎回カットが終わるとすぐに掃除して片づける。このほか、『旧暦2月2日』当日は予約制にして、前の客のカットが終わってから、次の客が店内に入るようにして、店内の人数が増えないよう注意する」とした。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年2月24日