国際的な学術誌「Science Advances」(電子版)は北京時間27日未明、中国科学院国家天文台の科学研究チームによる、月・新宇宙探査に関する重大な発見を掲載した。同チームは嫦娥4号の月面ローバー「玉兎2号」に搭載されている月探査レーダーを使い、月裏側の着陸エリアの地下40メートルまでの地層構造を初めて明らかにした。地下物質が低損耗の月土壌物質、大小が異なる多くの石でできていることが分かった。この研究成果は衝突による月の表面の変化、火山活動の規模や歴史などを理解する上で、非常に重要な意義を持つ。
探査機「嫦娥4号」は北京時間2019年1月3日、月裏側の最も古くかつ最大の南極エイトケン盆地のフォン・カルマン・クレーター(Von Kármán crater)に着陸した。月探査レーダーは月のCTスキャンを行う設備のようなもので、2019年1月4日午前9時29分35秒に稼働開始した。得られた物理的パラメータとレーダー画像に基づき、月面ローバーは106メートルの走行ルートに沿い、地下40メートルまでの範囲内で、3つの異なる地層を発見した。1層目は地下12メートルまでの細やかな月の土壌で、少量の石が含まれる。この層は複数のクレーターが重なり合う飛散物の上に形成された。これらの飛散物は周辺のクレーターなどによって生じたものと見られる。2層目は地下12−24メートルで、レーザー画像を見るとエコーが最も強いエリアだ。これは内部に大量の石、さらには砕石層や砕石の塊があることを物語る。飛散物が絨毯のように堆積しただけでなく、物質間の剪断・混合・掘削及び2次クレーター構造の影響といった複雑な地質プロセスが伴っていた。3層目は地下24−40メートルで、レーダーのエコーに明暗・交替の変化がある。これは異なる時期の、より古い飛散物の堆積と風化の産物によるものだ。地下40メートル以下のレーダー信号は微弱で、高スループットレーダー信号ではその物質的特徴を推測できない。エリアの地質的歴史と結びつけると、嫦娥4号着陸エリア付近では、整った月の海の玄武岩が地下40メートル以下を覆っていると推測できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年2月27日