2020年の中国宇宙事業、打ち上げ回数は40回を突破へ

人民網日本語版 2019年12月30日14:42

文昌航天発射場(海南省)は27日に「長征5号」キャリアロケットを用い、衛星「実践20号」を予定の軌道に投入した。長征5号は中国航天科技集団第一研究院が開発を担当する、中国初の筒部分の直径が5メートルの大推力キャリアロケットで、その積載能力は世界トップクラスだ。長征5号の3回目の打ち上げ任務の成功に伴い、中国の一連の重大宇宙任務が来年次々と展開される。打ち上げ回数は40回を突破する見通しで、一層期待が高まる。人民日報海外版が伝えた。

◆見所その一 月探査プロジェクト3期の嫦娥5号任務

月探査プロジェクトは「周回・着陸・帰還」の3つの段階に分かれる。

長征3号甲ロケットは2007年に「嫦娥1号」を打ち上げ、中国初の月周回探査を実現した。

長征3号丙ロケットは2010年に「嫦娥2号」を打ち上げ、世界初となる解像度7メートル以下の全月面写真を取得した。

長征3号乙ロケットは2013年に「嫦娥3号」を打ち上げ、月面軟着陸を実現した。中国の宇宙船が初めて地球以外の天体に着陸した。

長征3号乙ロケットは2018年に「嫦娥4号」を打ち上げ、人類の探査機にとって初となる月の裏側の訪問を実現した。

中国は2020年に長征5号ロケットを使いタイミングを見計らいながら「嫦娥5号」を打ち上げ、月無人試料採取・帰還を実現する。月探査プロジェクトの3ステップの全体計画・目標を順調に達成する。

◆見所その二 初の火星探査任務

中国は現在、火星探査プロジェクトの開発作業を展開している。計画によると、中国は2020年に長征5号を使い火星探査機を打ち上げる。また1度の打ち上げにより火星周回・着陸・陸上探査を実現する。

火星は太陽系の惑星の一つで、約26カ月毎に地球に最接近する。この時期であれば低コストで火星に探査機を送り込むことができる。そのため人類の火星探査活動は通常、26カ月毎にピークを迎える。2020年にはその最接近の一年になる。

探査機の打ち上げ後、火星まで到達する時間は約7カ月。

◆見所その三 長征ファミリーの新メンバーが初飛行

長征5号キャリアロケットの開発は、次世代ロケットの開発にも貴重な経験を蓄積した。中国キャリアロケット技術研究院が開発を担当した長征5号B、長征7号甲、長征8号などの次世代ロケットが次々と初飛行を迎える。

キャリアロケットの能力が高ければ、中国の宇宙の舞台もそれだけ広がる。宇宙強国の基礎となるのは宇宙輸送システムだ。長征5号は中国の積載能力が最大のロケットで、中国の多くの重大宇宙プロジェクトの実施に対して基礎的・前提的な役割を果たす。

長征5号遥3ロケットの成功は、中国の宇宙事業の「スーパー2020」の基礎を固め、宇宙強国の建設に向け着実な一歩を踏み出した。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年12月30日

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