「シェアリング社員」第1陣が街に出て運営やメンテナンスに携わるようになると、安徽省合肥市で仕事に復帰した市民は、シェア自転車で移動するのがかつてのように便利だということに気がついた。新華社が伝えた。
業務を再開した企業が人手不足の問題を解決するのを支援するため、合肥市人的資源・社会保障局はこのほど、「業務を再開した企業での就職についての提案書」を発表し、シェア社員、フレックス社員、テレワーク社員、パートなどさまざまなスタイルを通じて、企業の採用を支援しこれに関与する姿勢を明らかにした。
シェア自転車を展開する哈囉出行の安徽エリア広報責任者の周健さんは取材に対し、「各地で企業活動や生産活動の再開が推進されるのにともない、市民の利用する交通手段の選択肢が大幅に増加した。当社は全国で自転車の運営メンテナンスのポスト8000人分を開放し、ここで働きたいという求職者に提供している。このうち合肥市には300人分のポストがあり、現在はシェア社員の第1陣が勤務している」と説明した。
同市肥西県紫蓬鎮に住む張伏文さんはシェア社員の1人だ。2月19日にネットで求人情報を見て、試してみたいと思って申請書類に記入し、その後は面接に受かり研修を順調にこなして、シェア自転車の出入庫記録と消毒の責任を負う倉庫全体の管理担当者になった。仕事が決まるまでにかかった時間は3日間もなかったという。
張さんは、「元々浙江省嘉興市のアパレル工場でアルバイトをしており、任されていた仕事は倉庫管理で、ある程度の経験があった。シェア社員に応募したのは、まず実家に近くて出勤しやすいし、毎日150元の収入があり、家でゴロゴロしているよりよかったからだ」と話した。
シェア自転車の運営メンテナンスの仕事は柔軟性が非常に高い。賃金をみると、哈囉出行と関連の人材派遣会社は、この仕事により柔軟な賃金支給スタイルを提供し、グリーンチャンネルを通じて1週間ごとや2週間ごとに賃金を支払えるようにした。元からいた社員が復帰すれば、シェア社員は適宜自分の職場に帰ることができる。
周さんは、「安心してほしい。当社は第一線の運営メンテナンスの持ち場を守る社員一人一人をしっかりケアする。十分な防護措置を提供して、安全な環境で働けるよう確保している」と強調した。
哈囉出行と同様、合肥経済技術開発区にある合肥海爾(ハイアール)冷蔵庫有限公司もシェア社員を利用している。今月20日、安徽世紀金源大飯店の社員40人が、大型バスに乗って同市浜湖新区を出発し、同開発区にあるハイアール工業パークにやって来て、期間1ヶ月の「シェアリング社員」生活をスタートした。
合肥ハイアール冷蔵庫有限公司のモジュール工程作成マネージャーの李健さんは、「シェア社員が勤務するのは補助的なポジションが中心で、ベテラン社員の指導や協力を受けられ、同じ仕事なら出来高制が実施され、元からいる社員と同じ待遇が受けられる」と述べた。
安徽世紀金源大飯店の頼靳ゼネラルマネージャーは、「ホテルはポストのマッチングが必要だと知ると、すぐに近くに住んでいて防疫基準に合致した社員の派遣調整を始めた。社会保険料はもちろん当社が負担する。彼らはいつまでも当社の社員であり、この特殊な時期だけ、ハイアールなどと社員を共有するに過ぎないからだ。また社員の収入を保証するためでもある」と率直に述べた。
合肥市公共就職人材サービス管理センターの曹静センター長は、「このような方法の前提となるのはまず、派遣される社員が春節(旧正月、今年は1月25日)連休期間に合肥から出ていない上、過去14日間は感染者との濃厚接触がないことだ。こうしたフレキシブルな雇用モデルは、活用する側の企業から積極的な反応があり、企業の一時的な人手不足を効果的に緩和しつつある。シェア社員モデルは企業の人件費を効果的に分担し、運営負担を軽減できるとともに、社員に基本的な収入を保障し、一時的な仕事不足の難問を効果的に解決し、ますます多くの企業に受け入れられつつある」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月2日